ソニーから販売されたVLOG用カメラZV-E10は、動画が撮りやすいように設計されているAPS-C型のミラーレス一眼カメラです。
ZV-E10 レビュー | ソニーのVLOGミラーレスカメラ おすすめな7つの理由
21年の9月17日にソニーからVLOG用のAPS-Cミラーレス一眼カメラ、ZV-E10が販売されました。 Youtubeなどの動画撮影に向いているカメラで「動画をそろそろしっかりと撮っていきたいなぁ! ...
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Youtube撮影に最適なVLOG用カメラとしては、同じソニーから先に発売されたコンデジ「ZV-1」がありますが、これと比較した場合に何より大きな違いはレンズの交換ができることです。
今回はZV-E10で動画を撮影するうえで揃えておくと便利なおすすめのAPS-CのEマウントレンズを紹介します。
目次
- 動画向けAPS-C ミラーレス一眼カメラのレンズ選び
- レンズの焦点距離は数字の約1.5倍がAPS-Cの焦点距離
- フルサイズ用のレンズはAPS-Cのカメラでも使える
- 動画撮影や手振れ補正を使うと画角が狭くなる
- 静止画以上にピントを合わせるオートフォーカス性能が重要
- オートフォーカスの駆動音がないものを選ぶ - レンズの選別 VLOGカメラ ZV-E10にはどんなレンズがいいの?
- VLOG用カメラだと広角レンズが欲しい
- 手持ち撮影ならなるべく軽量にしたい
- ソニー純正のほうが手振れ補正は強い
- ズームレバーは電動ズーム対応機種のみ - (標準ズームレンズ)SONY E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS SELP1650
- (標準ズームレンズ)SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN Contemporary
- (標準ズームレンズ)SONY E 16-55mm F2.8 G SEL1655G
- (高倍率ズームレンズ)SONY E PZ 18-105mm F4 G OSS SELP18105G
- (広角ズームレンズ)SONY E 10-18mm F4 OSS SEL1018
- (広角ズームレンズ)TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD (Model B060)
- (広角単焦点レンズ)SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary C017
- (広角単焦点レンズ)SAMYANG 単焦点レンズ AF 12mm F2
- まとめ
動画向けAPS-C ミラーレス一眼カメラのレンズ選び
おすすめのレンズを語る前にまずはAPS-Cセンサーのレンズ選びで押さえておきたいこと、動画向けのレンズで重要なポイントについて解説します。
レンズの焦点距離は数字の約1.5倍がAPS-Cの焦点距離
ミラーレス一眼カメラの規格として大きく分けてイメージセンサーのサイズが大きいフルサイズ(35mm換算)と一回り小さいAPS-Cサイズがあります。
イメージセンサーが大きくなるとより広い範囲を撮影でき、光を取り込める量も増します。
それにより、より背景をボカした撮影が可能になったり、暗所での撮影に強くなります。
ポイント
ZV-E10はAPS-Cのミラーレス一眼カメラです。
APS-Cカメラはそのぶんコンパクトで軽量なのが特徴です。
またフルサイズとAPS-Cでは広角・望遠と距離を表すレンズの焦点距離も変わります。
焦点距離の数字はフルサイズ(35mm換算)で示されており、APS-C機で使う場合は約1.5倍にした数字が実際の撮れる範囲となります。
フルサイズ用のレンズはAPS-Cのカメラでも使える
イメージセンサーの大きいフルサイズ向けに作られたレンズはAPS-Cのカメラにも使えます。
しかしその逆でAPS-Cレンズはフルサイズのミラーレスでは基本的には使えません。
ポイント
装着自体はできますが、画角の四隅が黒く表示されてしまいます。
但しフルサイズ機でもAPS-Cモードを使うことで使用できます。
自分は写真用としてソニーのフルサイズミラーレスα7IIIを持っていますが、そのレンズはZV-E10にもそのまま流用することができます。
動画撮影や手振れ補正を使うと画角が狭くなる
初期設定では写真のアスペクト比は3:2ですが、動画では16:9となり上下が切り取られるので映る範囲は狭くなります。
さらにZV-E10には強力な「アクティブ手振れ補正」がありますが、この機能をONにすることで約1.44倍と画角がクロップされさらに狭くなるので、写真などの撮影と比べても出来るだけ広角レンズを用意する必要があります。
静止画以上にピントを合わせるオートフォーカス性能が重要
動画では静止画の写真以上に常にピントを被写体に合わせて追いかける必要があるので、オートフォーカス(AF)性能が重要となります。
オートフォーカス性能が高ければ高いほど、被写体が前後の奥行き移動しても素早くピントを合わせてくれるので被写体やカメラ側が動きながらでもストレスも少なくスムーズな撮影がおこなえます。
ポイント
ソニーのカメラは瞳AFの性能が高いですが動画撮影ではその恩恵もより強いです
オートフォーカスの駆動音がないものを選ぶ
レンズによってはピントを合わせるオートフォーカスのレンズ駆動音が大きいものがあります。
写真ではあまり関係ない部分になりますが、動画撮影においてはその駆動音を拾ってしまうことから、音声付の動画素材を撮りたい際には重要なポイントです。
見落としがちの部分なのでこの点はレビューなどを確認してのチェックが必要です。
ポイント
自分の場合で例をあげると、写真撮影でよく使う広角単焦点レンズのタムロン 20mm F2.8は残念ながらレンズ駆動音が大きく動画向けではありません。
レンズの選別 VLOGカメラ ZV-E10にはどんなレンズがいいの?
「それじゃあZV-E10はどんなレンズがあったら便利なの?」このような悩みに合わせてポイントをご紹介します。
VLOG用カメラだと広角レンズが欲しい
日記のように日々の記録を動画として残すVLOG向けカメラなのもあり、ZV-E10は持ち歩きに適しており、自撮りがやりやすい機能も多くあります。
その場所の空気感を伝えるには背景を大きく映せる画角の広い広角レンズが向いてます。
自撮り撮影でも広角のほうが顔も変にアップにならないので撮影がしやすいです。
アクティブ手振れ補正でクロップされることを考えると35mm換算で20mmは欲しいところです。
ポイント
フルサイズ対応のレンズを持っている場合は標準・望遠域は流用できますが、広角域はAPS-C専用のものが必要です。
手持ち撮影ならなるべく軽量にしたい
ZV-E10は手持ちをはじめ、ジンバルに乗せたりシューティンググリップに取り付けたりと持ち歩いて撮影をする使い方が多くなることから、なるべく軽いレンズを選ぶのが重要です。
ZV-E10自体もバッテリー含めて本体が343gと他のミラーレス機と比べてかなり軽量です。
またAPS-C専用レンズも比較的コンパクトで軽量のものが多いです。
装備は軽ければ軽いほど取り回しがよく負担も軽減されるので自分の許容範囲を考えながらできるだけ軽量になるよう心がけましょう。
ポイント
カメラとレンズ合わせて1.5kg以上の装備がメインだった時は、重たさが気になって持ち歩く機会がグッと減った経験があります。
シューティンググリップはソニー純正のGP-VPT2BT がおすすめです。
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おすすめのジンバルの選び方については下記記事を参考にしてください。
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ソニー純正のほうが手振れ補正は強い
ZV-E10はソニーのミラーレスカメラでは初となる動画専用の電動式手振れ補正機能として「アクティブモード」に対応しています。
ボディー単体の手振れ補正でも安定した動画が撮りやすいですが、レンズ側にも手振れ補正機能が付いているとさらに手振れ補正効果を実感できるようになります。
様々なメーカでも手振れ補正対応のレンズもありますが、手振れ補正においてのボディとレンズの相性は純正のほうが強い傾向があります。
手振れを気にする場合はソニーならOSS(光学式手振れ補正)表記のものを選ぶと安心です。
ポイント
手振れは広角より望遠のほうが影響大きくなります。
望遠側を使う機会が多いならより注目してみましょう。
電動ズーム対応機種をズームレバーで操作
ZV-E10はミラーレスカメラでは珍しく本体にズームレバーがついています。
ズームレバーを操作することでコンデジのように、電動ズーム対応のレンズならば光学ズームで撮影距離の変更がおこなえます。
一緒に購入するのがおすすめのシューティンググリップ「GP-VPT2BT」にもズームレバーがついていますがこちらも同じ仕様です。
またズームレバーの設定を変更し光学ズームから全画素超解像度ズームを割り当てることで、ズームレンズはもちろん単焦点レンズでも4K動画の撮影時には最大1.5倍、フルHDなら2倍までズームが可能です。
ポイント
全画素超解像ズームはデジタルズームの際の画質劣化を最小限に抑えて、解像感を保ったまま保存できます。
写真ではRAW保存できずJPEGだけになりますが、動画撮影においては便利に活用できます。
(標準ズームレンズ)SONY E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS SELP1650
ZV-E10のパワーズームキットで付属のレンズがこのE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSです。
重さが116gと軽量でサイズ感もパンケーキレンズのような薄さが特徴です。
レンズ機能として電動ズームと手振れ補正もあり、画角も35mm換算で24-75mmと最初の1本として使いやすいです。
動画用として外に気軽に持ち歩くというコンセプトにはぴったりです。
ただF値が3.5~5.6となり、背景をボカして撮るには向いおらず画質もそこそこです。
ただこのレンズの魅力としては軽量コンパクトな点と、単品ではなくパワーズームキットならば追加で1万円ぐらいで購入できる買いやすさと言えます。
ココがおすすめ
最初の1本として。軽量でコンパクトな装備にしたい。
またUSKEYVISIONから販売されているSELP1650に取り付けれる専用の追加レンズWLZ10を装着することで、APS-Cで12mm、35mm換算で18mmの超広角レンズにすることができます。
USKEYVISON WLZ10 | ZV-E10のキットレンズSELP1650を超広角にする方法
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(標準ズームレンズ)SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN Contemporary
F2.8のAPS-C用の標準ズームレンズでおすすめなのがSIGMA 18-50mm F2.8 DC DN Contemporaryです。
明るい大三元レンズながら重量が290gと小型の単焦点レンズほどしかないのでフットワーク軽く動画撮影をすることができます。
手振れ補正機能は搭載されていませんが、AF性能もよく接写性能も高いので軽量さも相まってジンバルを使った撮影には特におすすめです。
実売価格も6万円以内で購入できるとコストパフォーマンスにも優れているレンズです。
下記記事にて購入後の詳細レビューから作例をまとめています。
【作例・レビュー】SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | 最初の1本におすすめのAPS-C標準ズームレンズ
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ココがおすすめ
F2.8で軽量な標準ズームレンズが欲しい
シグマ 18-50mm F2.8を実際に購入しましたので下記で作例を交えてレビューをまとめました。
【作例・レビュー】SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | 最初の1本におすすめのAPS-C標準ズームレンズ
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(標準ズームレンズ)SONY E 16-55mm F2.8 G SEL1655G
キットレンズと近い標準の焦点距離範囲で高画質の動画を撮るのにおすすめなのがSONY E 16-55mm F2.8 Gです。
ソニーの高性能ラインナップであるGレンズなのもあり、高品質な映像を残せる高性能なAPS-C専用レンズになります。
純正レンズなのでボディとの相性もよくF値も2.8と明るく優秀で万能的に使える1本です。
重量は494gとボディー本体より重たく、価格も13万円ほどとコストも高いのでその点は注意が必要です。
ココがおすすめ
広角16mmスタートのズームレンズで高画質な映像を撮りたい
(高倍率ズームレンズ)SONY E PZ 18-105mm F4 G OSS SELP18105G
「1本のレンズだけで便利に使いたい」そんな方におすすめなのがE PZ 18-105mm F4です。
通しF4で27-157.5の範囲とこれ1本あれば標準から望遠までと幅広い距離を撮影できます。
ただ広角側があまりなく自撮り撮影には向いていないので、別途広角レンズは欲しいところ。
OSSの光学式手振れ補正があるので、手振れの影響が大きい望遠域ではありがたいところです。
電動ズームも搭載しており、ズーム音も静か。
望遠としても使えるレンズながらAPS-C専用レンズなのもあり、重量が427gと高倍率な割りには比較的軽量なのも嬉しい点です。
ココがおすすめ
標準から望遠の範囲を1本で撮りたい人
(広角ズームレンズ)SONY E 10-18mm F4 OSS SEL1018
ソニー純正でAPS-Cで使える定番の広角ズームレンズがE 10-18mm F4 OSSです。
F値が4なのであまり背景をボカした撮影には向いていませんが、広角域が35mm換算で15mmと他のレンズに比べて非常に広い範囲を撮影できるので自撮りにも向いています。
また重量が225gと軽量なのでコンパクトなZV-E10とマッチングしています。
ココがおすすめ
コンパクトな広角ズームレンズが欲しい人
(広角ズームレンズ)TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD (Model B060)
広角ズームレンズの他の有力候補がタムロンの11-20mm F/2.8 Di III-A RXD です。
F2.8通しなのでE 10-18mm F4と比較しても背景をボカした撮影や、暗所での撮影に向いています。
比較的新しいレンズなのもあり、映りの評判も良いです。
ただ重量が335gとサイズも一回り大きめなので、コンパクトに撮影したい場合はその点が1つの検討材料になるかと思います。
ココがおすすめ
明るい広角ズームレンズが欲しい人
(広角単焦点レンズ)SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary C017
広角の単焦点レンズで評判が高いのがSIGMA 16mm F1.4です。
重量が405gと他のレンズと比較した際には少しありますが、F1.4とズームレンズと比べてかなり明るいのでよりボカした撮影をしたい人や夜間で撮影したい人にはおすすめです。
レンズには手振れ補正が搭載されていないので、その点がソニー純正のレンズと比べて気になる点にはなります。
ただ価格が約4万円とかなりお手頃なので非常にコスパが高いレンズと言えます。
ココがおすすめ
明るい広角レンズが欲しい人
SIGMA 16mm F1.4 DC DNについては下記記事で詳細をまとめています。
【作例・レビュー】SIGMA 16mm F1.4 DC DN | ポートレートから動画まで おすすめの広角単焦点レンズ
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(広角単焦点レンズ)SAMYANG 単焦点レンズ AF 12mm F2
APS-Cで超広角の画角で明るく撮れるレンズが、SAMYANGの AF 12mm F2です。
2021年に発売された新しい設計をされたレンズです。
重量も185gとかなり軽量で、画角も18mmとかなり広い画角で背景もボカせることから、VLOGで自撮りをしたい人にはかなりおすすめのレンズとなります。
手振れ補正機能はありませんが、広角域のほうが手振れは目立ちにくいので望遠側と比べれば影響も少ないと言えます。
ココがおすすめ
広角で背景をボカして自撮りしたい人
まとめ
ソニーVLOG用の動画カメラ、ZV-E10につけるおすすめのAPS-C対応Eマウントレンズをご紹介しました。
ZV-E10の大きなメリットはレンズを交換できることで、様々な条件に合わせた動画を撮影できることです。
またVLOG用の自撮りカメラとしての役割としては、広角域に対応しているレンズがあると非常に撮影しやすくなります。
レンズごとで得手不得手やメリットデメリットなどはありますので、あなたの撮影スタイルに合わせて最適なものをチョイスしましょう。
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