Sony α6400などのAPS-C ミラーレスカメラで使えるEマウントレンズの1つにSIGMAが出している「16mm F1.4 DC DN Contemporary」があります。
明るくて軽量小型で高画質。しかもコストパフォーマンスに優れてると評判の高い広角単焦点レンズです。

今回はスナップ写真からポートレート、動画撮影と幅広く使えるこのレンズを実際に撮ってみた作例を交えてSIGMA 16mm F1.4 DC DNをレビューします。
目次
SIGMA 16mm F1.4 DC DN Contemporary 製品概要
SIGMA 16mm F1.4 DC DN ContemporaryはソニーEマウントのAPS-Cミラーレスカメラで使える広角単焦点レンズです。
特徴としてはF1.4と明るく撮影できる光学性能を持ちながら、軽量でコンパクトな設計になっている点です。
レンズ構成は13群16枚で非球面レンズ2枚、FLDレンズ2枚、SLDレンズ1枚を含む特殊ガラスを多数採用し、絞り開放から高い解像度をもって撮影できます。
ポイント
9枚羽根の円形絞りを採用。開放付近でも円形の玉ボケを作ることができます。
デザインはシンプルな形状。外観にはMF・AFの切り替えスイッチもなくカメラ本体側で切り替えるタイプとなります。
Contemporaryラインを表すCのマークが特徴的です。
SIGMAでは他に高画質を売りしている区分けとしてArtラインがありますが、Contemporaryラインであるこのレンズの映りはそのArtラインに匹敵すると評判の1本です。

そして何よりの魅力としては高性能ながら新品の価格が4万円台とコストパフォーマンスに優れてる点です。
α6400やZV-E10などのソニーのAPS-Cサイズのミラーレスカメラを使う人には最適な広角単焦点の1本と言えます。
SIGMA 16mm F1.4 DC DN Contemporary スペック 製品仕様 | |
ブランド | シグマ(Sigma) |
年式 | 2017 |
レンズマウント | ソニー Eマウント |
レンズ構成枚数 | 13群16枚 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
最小絞り | F16 |
最短撮影距離 | 25cm |
最大撮影倍率 | 1:9.9 |
フィルターサイズ | φ67㎜ |
手ブレ補正 | 無し |
モータータイプ | ステッピングモーター |
最大径 × 長さ | φ72.2mm × 92.3mm |
質量 | 405g |
F1.4で明るく撮れる 広角16mmのAPS-C 単焦点レンズ
SIGMA 16mm F1.4 DC DN Contemporaryは絞り開放がF1,4と明るく背景をかなりぼかした撮影ができます。
F1.4まで明るいレンズはAPS-C用の16mmでは珍しく、それだけでも他のレンズにはない大きな魅力があります。
ポイント
フルサイズ用では16mmでF1.4以上と明るいレンズはありますが、その分重量は重くなり価格も高くなります。
APS-C用で16mmなので、実際に撮影する際には35mm換算で24mmとなります。
24mmの画角は風景をダイナミックに映すにも情景の伝わるスナップ写真にも使え、広角域では使いやすい画角と言えます。
また最短撮影距離も25cmとなり、被写体に寄って撮影できるのも使いやすいポイントです。
フィルター径は最近では多くのレンズで使われている67mm。NDフィルターやPLフィルターも共有して使い回しやすいのもSIGMA 16mm F1.4 DC DNの魅力の1つです。
サイズは小型・軽量で持ち運びしやすいコンパクトさ
SIGMA 16mm F1.4 DC DNはAPS-Cレンズと言うこともあり、長さ90.3mm、質量は405gと明るい単焦点レンズでは比較的軽量と言えます。
α6400やZV-E10などと組み合わせても約800gほどなのでフットワーク軽く軽快な撮影ができます。
また使い勝手の点では簡易防塵・防滴機構もあるのでそこまで神経質に扱わなくても良い点もあります。
見ための部分はカメラとのマウント部分がレンズ部と比べ細くなっているので少しゴツく感じてしまう印象が少しあります。

ただ撮影時には細くなっている部分に支える指が置きやすい使用感があります。
個人的にはAPS-Cのカメラは動画用やサブ機としての利用が多いのもあり、メイン機のフルサイズミラーレスカメラと一緒に持ち運ぶことが多いので荷物をコンパクトにできるのはポイントが高いです。
スナップ撮影の作例
ポートレート・物撮りの作例
VLOGの動画撮影にも使える広角レンズ
自分は動画撮影機としてソニーのミラーレスVLOGカメラ「ZV-E10」をもっていますが、SIGMA 16mm F1.4 DC DNは動画用のレンズとしても使えます。
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静穏性のあるステッピングモーターを採用しているのもあり、ピント合わ時に発生するモーター音もなく静かです。
撮影中の動作音を録音してしまうこともなく動画撮影がおこなえます。
オートフォーカスのスピードも速いので、被写体の動きに合わせて迷わずピントを追従させることができます。

レンズ自体には手振れ補正機能は搭載されてはいませんが、ZV-E10には強力なアクティブ手振れ補正が備わっているのでカメラ側で補完できます。
ミラーレスにも対応しているソニー純正のシューティンググリップ「GP-VPT2BT」などを使えば手振れを抑えた歩き撮影もおこなえますね。
GP-VPT2BTの詳細は下記でレビューしています。
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ポイント
さらに手振れを抑えたい時はジンバルがあると便利です。
Zhiyun CRANE M3を使っていますがSIGMA 16mmとの相性は抜群です。
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動画撮影時にはシャッタースピードを1/60や1/100ほどにスピードを落とさないといけないので、F1.4の絞り開放で明るい昼間に撮影したい際にはNDフィルターが必須となります。
NDフィルターの値段は性能に合わせてピンキリではありますが、可変NDフィルターもAmazonなどで手ごろに買えるようになってきているので、動画を撮っていきたいと考えている方は合わせ買いがおすすめです。
フルサイズのミラーレス機でAPS-Cレンズが使える「Super35mm モード」
Sony α7IIIなどのフルサイズミラーレス機などでは本体側にある機能「Super35mm モード」を使うことで、APS-C用のレンズでもフルサイズカメラで撮影が可能になります。
機能としてはイメージセンサーの大きいフルサイズの撮影範囲をAPS-C用にクロップして映すものとなりますので解像度が減少してしまいます。
また暗い場所での撮影性能も少し低下します。
ポイント
α7IIIの場合は長辺6,000pxが4,000pxほどに
しかしそれ以外は変わらず写真もRAWによる現像もできるので、レンズ資産も無駄なく有効活用できる便利なモードです。
Super35mm モード 設定方法(α7IIIの場合)
MENU→ (撮影設定1)→[APS-C/Super 35mm]
設定方法は手動での変更に加えて、オートモードも搭載してます。
オートモードにしておけばAPS-C専用レンズを使った時に自動的にSuper35mm モードがONになるのでおすすめです。
SIGMAの高画質・軽量小型・安価なContemporaryシリーズ
ソニーのAPS-C ミラーレス機で使える「SIGMA 16mm F1.4 DC DN」以外のContemporaryラインの単焦点レンズとして、その他に「Sigma 30mm f1.4 DC DN」、「Sigma 56mm f1.4 DC DN」が販売されています。
35mm換算では24mm、46mm、86mmとこの3本で広角・標準・望遠をカバーできる単焦点レンズのシリーズとなります。
3本とも同じContemporaryラインなのもありコンセプトは一緒でどれも解像度が高いシャープな描写力を備えてます。
またF値も1.4と共通で多くの光を取り込める明るいレンズとなり、どの画角でもボケ味を生かした撮影がおこなえます。
また3本とも価格帯は同じ4万円台でなんと3本購入しても12万円ほど。場合によっては純正のレンズ1本分の予算でレンズ3本を揃えることができます。

大抵のものはこの3本の単焦点レンズを揃えれば撮影できることから、これからソニーのAPS-Cカメラを使って写真や動画を撮っていきたい人にはおすすめのラインナップです。
また1本のレンズで便利に使いたいのなら「SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN」の明るい標準ズームレンズもおすすめです。
同じContemporaryラインながら軽量で取り回しがよく解像度も高いモデルになります。
SIGMA 16mm F1.4 DC DNとは焦点距離が被らないので、このセットの組み合わせも使いやすく用途が広がると言えます。

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まとめ
広角単焦点レンズ「SIGMA 16mm F1.4 DC DN Contemporary」について作例を交えてレビューしました。
ソニーのAPS-Cミラーレスカメラで使えるEマウントの明るい広角単焦点レンズとしては、性能・コンパクトさ・安さどれをとってもおすすめできるレンズと言えます。
写真の撮影のみならずAFも高速。ピント合わせの静穏性も高いところから動画撮影用としても活躍できるレンズです。
35mm換算で24mmと広角で絞り開放F1.4と背景もボカせるので、Youtubeなどで動画の自撮り撮影をしたい人にもおすすめです。

お手頃でありながらかなりコスパが良いレンズなので、α6400やZV-E10を使っている方はぜひチェックしてみてください。
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