タムロンからソニーのEマウント用として販売された「寄れる広角単焦点シリーズ」の1本にTamron 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050)があります。
20mmと言う距離感は超広角とも言える画角の広角レンズで、標準ズームレンズが24mm、または28mmから始まるものが多いのもあり、広角ズームレンズを持っていないとなかなか使う機会が少ない画角のレンズかもしれません。
その中でタムロンの20mm F2.8の広角単焦点はお試しで購入しやすい価格帯でかつ軽量コンパクトと実にカメラユーザーに優しいレンズです。
ソニーの小型なフルサイズのミラーレス一眼レフに向いており、フットワーク軽めに撮影したい人にもおすすめなタムロン 20mm F2.8についてソニーのα7IIIで撮影した作例も合わせてレビューをしていきます。
目次
Tamron 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050) 概要
レンズメーカーのタムロンから販売されているソニーのフルサイズミラーレス用のEマウントに対応した20mmの広角単焦点レンズです。
タムロン 20mm F2.8の大きな特徴としては小型軽量で重量はわずか220g。
長さも64mmとカメラバッグに気軽に入れておけるコンパクトな作りです。
ポイント
個人的に広角レンズはここぞと言うタイミングで使うのが多いので、気軽に持っていけるのはかなりのメリットです。
このレンズ特有の性能としては最短撮影距離が0.11mと非常に短く、ハーフマクロレンズのように被写体に寄った撮影が可能です。
外観自体はシンプルな作りとなりますが、簡易防滴構造や防汚コートも採用されているので多少の悪天候でも心配ありません。
何よりタムロン 20mm F2.8 は値段が安くメーカー価格が46,000円で、Amazonでは約37,000円となんと3万円台で購入できます。
それもあり最初の1本として購入する標準ズームレンズに追加で加える、「最初の広角レンズ」としてもおすすめなレンズと言えます。
ポイント
個人的には風景、人物ポートレート、スナップ撮影と何かと使えるお気に入りレンズです。
記事内で撮影した作例も含めて紹介します。
Tamron 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050) 製品仕様 | |
モデル名 | F050 |
焦点距離 | 20mm |
明るさ | F/2.8 |
画角(対角画角) | 94°30' ※35mmフルサイズミラーレス一眼カメラ使用時 |
レンズ構成 | 9群10枚 |
最短撮影距離 | 0.11m |
最大撮影倍率 | 1:2 |
フィルター径 | Φ67mm |
最大径 | Φ73mm |
長さ | 64mm |
質量 | 220g |
絞り羽根 | 7枚 (円形絞り) |
最小絞り | F/22 |
標準付属品 | 花型フード、レンズキャップ |
対応マウント | ソニーEマウント用 |
希望小売価格 | 46,000円 (税別) |
重さが220gで持ち運びがしやすい20mm広角単焦点レンズ
タムロン 20mm F2.8の大きな魅力の1つが質量220g、長さ64mmでかなり小型で軽量なレンズと言うことです。
ミラーレス一眼レフの単焦点レンズ自体が小型軽量のものが多いですが、タムロン 20mm F2.8はさらに持ち運びしやすい携帯性をプッシュしたレンズシリーズの1本と言えます。
ポイント
55mmの単焦点のSEL55F18Z(中央)や、85mm単焦点のSEL85F18(右側)と比べてもかなりコンパクト
その反面、レンズ外観のデザインは外部ボタンやスイッチなどもないシンプルな形状となっています。
α7IIIやα7Cのソニーのフルサイズミラーレスを使っている方はTamron 28-75mm f2.8などの28mmまたは24mmスタートの標準ズームレンズを使っている方も多いと思いますが、そんな時によくある悩みが「もっと広角で撮りたい!」と言うもの。
そんな時にタムロン 20mm F2.8を持っているとカメラバッグに重さの負担がなく持ち運べるのでどんなシチュエーションにも対応できるようになります。
単焦点レンズを使ったお散歩スナップ撮影が好きな自分は、α7IIIに標準単焦点レンズのSEL55F18Zを取り付けて、広角が撮りたい時用にタムロン 20mm F2.8をCommliteレンズホルダーに装着しフットワーク軽めな撮影にいっています。
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風景撮影に最適な広角レンズの描画力
20mmの広角レンズは風景撮りや建物の全景を入れたい時に使えるレンズです。
タムロン 20mmF2.8は写真の描画力も良く広角レンズ特有のパースを生かしたダイナミックな撮影ができます。
ポイント
α6600などのAPS-Cセンサーなら30mmと広めの標準単焦点レンズとして使えます。
逆光の耐性も良好で、タムロン独自のBBAR (Broad-Band Anti-Reflection) コーティングを施されゴーストが軽減されている作りになっています。
また広角レンズによくあるレンズ歪曲をはじめ、周辺光量、倍率色収差などの補正はレンズ側でおこなわずに、ボディー側のカメラ内レンズ補正に任せる割り切ったコンセプトになっています。
ポイント
ソニー機のカメラ内のデジタル補正でだいぶイメージが変わります。
個人的に歪みや周辺光量はLightroomで補正できるのであまり気にしていないです。
タムロン20mm F2.8はレンズ歪曲は強くかなり個性的なレンズと言え、カメラ内レンズ補正を掛けた場合とそうでない場合とではだいぶ絵が変わります。
個人的にはこのレンズ自体の歪曲さによる味のある絵は好みです。そういう意味では他のレンズでは撮れない写真が撮れるとも言えます。
カメラ内レンズ補正の設定方法 α7IIIの場合
【MENU】→【撮影設定1】→【レンズ補正】
※タムロンではカメラ内レンズ補正の使用を推奨しています。
最短撮影距離が0.11mで被写体にかなり近づける
このレンズ特有の強みは被写体に寄って撮影できることで、最短撮影距離はなんと0.11mです。
最大撮影倍率は1:2となり被写体にレンズがくっつくほどの近さでハーフマクロのように撮影できます。
この最短撮影距離の0.11mは他のライバルとなる広角レンズと比較しても強く、ソニー純正の20mmで評判が高いSEL20F18Gでも最短撮影距離が0.19mとなります。
またタムロンの広角大三元レンズの17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046)もワイド端17mmでの最短撮影距離が0.19m、テレ端28mmでは最短撮影距離0.26mとなります。
同じメーカーで距離もF値も範囲内であるタムロンの17-28mm F2.8を持っているならば、タムロン20mm F2.8の単焦点レンズは携帯性を除けば不必要なレンズかと思いきや「被写体に寄って撮れる」と言う独自のメリット、魅力があります。
ポイント
購入当初はここまで寄って撮れるとは思ってなかったのでかなり得した気持ちになりました
それにより被写体を前面にダイナミックに映しながら広角ならではなパースを活かした撮影をおこなうことができます。
また単焦点レンズとしては控えめなF2.8という数字ですが、かなり寄れることでF2.8だとは思えないほど背景をぼかした撮影も可能です。
フィルター径は67mmでタムロンの人気ズームレンズと同サイズ
レンズのフィルター径は67mmとなり、タムロンの人気レンズ28-75mm F2.8をはじめとした標準、望遠、広角のタムロン大三元ズームレンズと同じフィルター径となります。
フィルターサイズを統一することでレンズに装着するPLフィルターやNDフィルターを使いまわせます。
ポイント
フィルターはサイズごとで購入するとかなり値段も張るので統一することでぐっとコストを抑えれます。
その他のソニーのフルサイズミラーレス対応のレンズでも67mmのラインナップは多くなってきているので、自分もできるだけ67mmと言う数字に注目してレンズやフィルタを購入しています。
また最近では光の表現を変えシネマティックな雰囲気を手軽に作れることでネットで評判になったフィルター、ブラックミストNo05もこの67mmに合わせて購入しました。
フィルターは気軽に写真表現のバリエーションを増やしたい際に使えるおすすめのカメラグッズなので、使用頻度が高いレンズとフィルター径が共通なのは使い勝手が良くなるポイントと言えます。
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同時期発売 タムロンの寄れる広角単焦点シリーズ 20/24/35mm
20mm単焦点のTamron 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050)とほぼ同じタイミングで24mm単焦点の24mm F/2.8 Di III OSD M1:2(Model F051)、35mm単焦点の35mm F/2.8 Di III OSD M1:2(Model F053)が発売されました。
20m、24mm、35mm、どれも同じコンセプトで作られたレンズということもあり、どのレンズも重量は215g前後で最大径×全長も73×64mmで統一とコンパクトな仕様になっています。
また開放F値もF2.8、フィルター径も67mmで共通となっています。
「寄れる広角単焦点シリーズ」と言うこともあり、最短撮影距離も20mmが0.11m、24mmが0.12m、35mmが0.15mとどのレンズでも被写体に寄って撮影できる魅力は変わりません。
また価格帯も同じでどのレンズもAmazonで3万円台で購入できます。
風景・スナップ・人物ポートレート撮影 作例
タムロン20mm F2.8とソニーのα7IIIを使い撮影した作例を紹介します。
タムロン20mm F2.8 風景撮り 作例
タムロン20mm F2.8 スナップ撮り 作例
タムロン20mm F2.8 人物ポートレート撮り 作例
まとめ
タムロンの20mm広角単焦点レンズ、Tamron 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050)について作例も交えてレビューをお伝えしました。
簡単にこのレンズのおすすめなポイントと気になるポイントについてまとめました。
おすすめポイント
・小型軽量で持ち運びが良い
・最短撮影距離が優れており、被写体に寄って撮影できる
・寄れることによってF2.8でも背景をぼかせる
・3万円台で購入できる
おすすめできないポイント
・AF速度が少し緩やか
・ピントを合わせる際に小さく「カチ」と音がする
また広角レンズで影響が大きい歪曲のクセが強いレンズで、人によればおすすめできないポイントになるかもしれませんが個人的にはこのレンズ特有の特徴が逆に好みでもあります。
標準ズームレンズや標準単焦点レンズから「さらに広角のレンズも試してみたい!」と思っている方には価格の安さもあっておすすめしやすいレンズです。
またすでにタムロンの17-28mm F2.8などの広角ズームレンズを持っている方も軽量で寄って撮影できる特性から出番のあるレンズでもあります。
ポイント
自分もソニーの16-35mm F4の広角ズームレンズを持っていますが軽さを重視してこちらを持っていくことが多いです。
使い勝手がよく気楽に求めやすい広角の単焦点レンズなので興味がある方は試してみてくださいね。
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