ソニーのAPS-C用Vlogカメラ「ZV-E10」をキットレンズで購入し、しばらく使ったうえで現れた欲求の1つが「広角レンズが欲しい!」でした。
キットレンズのSELP1650の焦点距離は16mm-50mmと、35mm換算で24mm-75mmと使いやすい標準ズームレンズです。
またレンズ内手振れ補正機能のOSSが搭載で116gと軽量とZV-E10やα6600で使いやすいVlogカメラ向きのレンズではありますが、Vlog動画で自撮りをする際には24mmでは少し狭さを感じます。
「仕方ないから広角レンズを購入するか…」と考えていたところ、出会ったのがキットレンズSELP1650に追加で取り付け超広角化できるレンズアクセサリーのUSKEYVISION WLZ10です。
物は試しだ!と購入したWLZ10ですが、これが思いのほか良い買い物で自分の需要を満たすカメラガジェットでした。
今回は満足度が高いUSKEYVISION WLZ10の魅力や使い方、実際の作例や使用感などを踏まえてレビューします。
目次
USKEYVISION WLZ10 製品概要
USKEYVISION WLZ10はソニーのZV-E10のキットレンズである、E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS(SELP1650)に追加で取り付け超広角撮影とマクロ撮影を可能とするレンズアクセサリーです。
WLZ10の装着としてはレンズフィルターのようにSELP1650の前面に取り付ける方法となります。
広角撮影においては、35mm換算で24mmの広角域が18mmの超広角と言われる画角での撮影が可能になります。
ポイント
逆に18mmをAPS-C用レンズの表記に戻すと12mmのレンズになる計算です。
自撮り撮影をするならばかなり嬉しい画角です!
またWLZ10には超広角にする機能だけではなく10倍マクロレンズも付属されており、SELP1650を使ってさらに被写体に寄ったマクロ撮影もできるようになります。
レンズの品質は30層ナノコーティングを備えた4K HD SCHOTT低分散レンズで、外観もワンピース成形CNC製造方法による酸化アルミニウム合金フレームとなっており、見た目の安っぽさはなく、高級感も感じる作りです。
そして気になる価格はAmazonで7,980円と大変リーズナブル。
広角レンズを1本新しく手に入れることを考えればかなりお値打ちと言えるカメラガジェットです。
USKEYVISION WLZ10 製品仕様 | |
メーカー | USKEYVISION |
商品名 | WLZ10 |
レンズ素材 | ドイツ SCHOTT超低分散ガラス |
コーティング | 両側に30層 |
広角倍率 | 0.75倍 |
広角焦点距離 | 18mm |
マクロ倍率 | 10倍マクロ |
マクロ最小焦点距離 | 50mm |
直径 | 61mm |
重さ | 150g |
インターフェースタイプ | 40.5mm |
150gで軽量なマクロ+広角がセットの追加レンズ
WLZ10は広角レンズ、マクロレンズと2つのパーツで構成されており、広角レンズを使いたい場合は広角+マクロをセットにしてSELP1650に取り付けることで撮影が可能になります。
ポイント
逆にマクロ撮影のみの場合は広角レンズを取り外すことですぐ用途を切り替えれます。
そしてWLZ10の魅力の1つがその軽量さで2つ合わせて重量が150gと用途を考えればかなりの軽さです。
SELP1650自体の重量が約116gと、ソニーのミラーレス対応レンズとしては最軽量とも言える軽さなので、WLZ10と合わせても200g台と他の軽量と言われるレンズと変わらない重量で運用できます。
またWLZ10には収納にも困らない持ち運びがしやすい耐久性が高いケースも付属されています。
ポイント
またクリーニングクロスをいれれるスペースもあります。
ズボンのポケットにも入れれるほどなので、軽量装備でフットワークの軽さを活かした撮影を重視したい人からすればかなりのメリットと言えるレンズアクセサリーです。
SELP1650への取り付け方・装着方法
WLZ10付属のリアレンズキャップを取り外します。
普通のレンズと比較するとキャップも金属製のパーツとなります。
リア部分はSELP1650のフィルター径40.5mmに装着できる構造になっています。ネジ付きポートに合わせて時計回りで締めた後にフロントキャップを取り外すだけです。
マクロレンズとして利用したい場合は、中間部分に装着されている広角レンズを反時計回りに回すことで取り外せます。
収納ケースには未使用のレンズパーツや取り外すレンズフィルター・レンズカバーも収納できます。
ポイント
使い方はめちゃくちゃ簡単なのでセッティングのめんどくささも少ないです。
SELP1650がフルサイズ換算で18mmの超広角レンズに
SELP1650にWLZ10の広角パーツを装着すると35mm換算で18mmの広角レンズとして使用できます。
範囲が18mmと言うことで写せる範囲はかなり広くなり、風景撮りから自撮りのセルフィーなどもしやすい焦点距離です。
WLZ10を付けた後の写真の映りとしては、周辺は若干ぼかしがかかったようになり解像間の低下は少し見られます。
ただ中央側はシャープさも維持されており、追加アクセサリーを使ったことによる違和感は少なく、充分実用的に使える範囲です。
超広角と範囲が広くなることで歪みは多少は見られますが、魚眼レンズのような極端な映りにもならず普通の使用感で使えます。
ポイント
オートフォーカスも問題なく利用できます。
正直、予想していたよりクセも少なく使用できてびっくりしました。
SELP1650が10倍寄れるマクロレンズに
WLZ10のマクロパーツを取り付けることで、花などの被写体に相当寄れるマクロレンズとなります。
通常のSELP1650と比較すると、被写体に寄れる距離が望遠側では300mmだったところ、マクロレンズの装着で50~60mmまで寄れるようになります。
通常のSELP1650の広角側が50mmからなので、広角での最短距離で望遠側が使えることになります。
ポイント
かなり被写体に寄ることができる反面、ピント合わせはかなりシビアになります。
少し奥行きが変わるだけでボケボケに。
Vlog動画 入門レンズでの手持ちの自撮りでおすすめ
WLZ10による画角の広角化は写真撮影でも便利ですが、動画撮影ではさらにメリットが発揮されます。
ミラーレスカメラでの動画撮影では様々な影響で画角が狭くなります。
まずカメラの基本設定のアスペクト比は写真では3:2ですが、動画では16:9と横長になる分、縦で映る範囲がトリミングされてしまいます。
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またZV-E10には動画撮影時には強力なボディ内手振れ補正機能を「アクティブ」設定できますが、これをONにすることで画角がクロップされさらに範囲が狭くなってしまいます。
それらの影響もあって動画撮影時の広角側の焦点距離は広ければ広いほど良いですが、その需要をWLZ10の追加レンズで簡単に補えるのはかなりの強みと言えます。
実際に比較用でZV-E10で動画を撮影してまとめてみたので参考にしてみてください。
比較対象のソニーAPS-C用 広角レンズ
比較対象と言えるソニーのAPS-C用対応の広角レンズの候補は下記があげられます。
ソニー APS-C Eマウント用 広角レンズの比較対象
・SONY E 10-18mm F4 OSS SEL1018
・SAMYANG 単焦点レンズ AF 12mm F2
・TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD
SELP1650は入門用レンズなのもあり、写真や動画の映り自体は比較対象のレンズのほうが評価が高いと言えます。
但しSELP1650の魅力としてはソニー純正レンズでOSSがついていることから、他メーカーより手振れ補正は強いものとなります。
またSEL1018にはないパワーズーム機能もあるので、ズームリングによる手動操作をしない、レバー操作による広角・望遠の操作も可能です。
ポイント
ZV-E10や、ソニー純正のシューティンググリップ、GP-VPT2BTにパワーズームの操作レバーがあるのでこれを活用したい際には必要な機能です
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そして比較した際の何よりのメリットはその価格差で、ソニーやタムロンの広角レンズが7万円代なところ、USKEYVISION WLZ10は価格が7,980円です。
キットレンズのSELP1650をすでに持っていれば約1/10の価格で、それらレンズと同等の超広角レンズが手に入るのはかなりの強みです。
高性能な標準ズームレンズ購入後にSELP1650をもうひと働き
自分はZV-E10とキットレンズのSELP1650をセット購入しましたが、F値が3.5~5.6とあまりボケないのもあり、シグマのAPS-C用の標準ズームの大三元レンズ SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN Contemporaryを後ほど追加購入しました。
F値が広角・望遠と通しで2.8と明るいのに小型軽量で画質も高いところからだいぶ満足度が高いレンズです。
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ただ、それにより広角側が2mm広いとは言え同じ標準ズームの役割のSELP1650の出番が殆ど無くなってしまい「このレンズをどうしよう…?」と正直持て余すように。
ポイント
レンズあるあるな悩みではあります…。
正直同じようなルートを辿っている方は多いと思います。
しかしUSKEYVISION WLZ10を導入したことで、SELP1650に超広角レンズにマクロレンズと、レンズ資産を無駄にせず新しい役割を与えることができます。
追加レンズ脱着の手間も少なく、3Way的な使い方が簡単におこなえ、組み合わせても軽量と持ち運びの負担も少ないので、フットワーク重視の方には新しい着地点になると思います。
動画撮影で一緒に購入したいNDフィルター・アクセサリー
K&F Concept 可変NDフィルター ND2-ND400
動画の撮影ではシャッタースピードを1/100などの明るい数値で固定しなければならないので、晴天など光が多い場所や、ボケが強い明るいF値を使いたい場合においてはNDフィルターを取り付ける必要があります。
NDフィルターもメーカーから種類もいろいろありますが、自分はK&F ConceptのND2-ND400のHD版可変NDフィルターを利用しています。
明るさの調整範囲も広く、そこまで色ムラも多くないので明るい場所でも便利に動画撮影できます。
ポイント
オレンジ色の濃度調整ハンドルが付いているので変更操作もしやすいです。
USKEYVISION WLZ10の広角レンズのフィルター径は58mmのものが装着できるようになっています。
58mm対応 ステップアップリング
自分はフィルター径が67mmのレンズを多く所有しているのもあり、NDフィルターのサイズも基本67mmで合わせてます。
それによってWLZ10の58mmに合わせるため、フィルター径を67mmから58mmに変更できるステップアップリングを使用しています。
ポイント
NDフィルターも値段が安いものではないので、互換できるものはしたほうがお財布に優しいですね
様々なメーカーから販売されていますが、日本製でありリングの外周に滑り止めのローレットが付き脱着しやすいKenkoのものがおすすめです。
Kenko フィルターケース COMODO
レンズに合わせてNDフィルターやステップアップリングを持ち運ぶ際、フィルターケースがおすすめで整理もできカバンもかさ張らなくなります。
フィルターごとに個別のケースに収納しなおすのは思いのほかめんどくさいのでその時間も短縮できるのも嬉しいところです。
ポイント
収納は82mmまで対応です。上記のかさ張る可変NDに加えてハンドルも付いている67mmのフィルターでも問題なく収納できます。
まとめ
E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS(SELP1650)に追加で取り付けて、超広角・マクロレンズにできるUSKEYVISION WLZ10についてレビューしました。
ソニーAPS-C用のカメラ、ZV-E10やα6600などを使った写真撮影から、広い画角が欲しくなる動画撮影では特に活用できるカメラガジェットです。
またAPS-C用の超広角レンズは選択肢も少なく、値段も7万円以上としがちですが入門用のキットレンズがあれば7000円代で超広角レンズの画角が確保できるのはかなりのメリットです。
ポイント
SELP1650のレンズ資産を有効活用できるおすすめの追加レンズと言えます。
SELP1650自体を持っていなくても中古なら1万円以内で買えるのも予算に優しい点です。
「超広角レンズの画角を試してみたいなぁ」と思っている方はぜひ一度この組み合わせをチェックしてみてください。
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