ソニーのAPS-CミラーレスVLOGカメラ「ZV-E10」を動画用として購入して悩んだポイントが「標準域のズームレンズをどうしよう」と言う点です。
キットレンズでセットになっている16-50mm F3.5-5.6もコンパクトで軽量なのが魅力ですが、もっと明るくボケるレンズが欲しいとどうしても思ってしまうのがカメラ好きとしての心情です。
ZV-E10 レビュー | ソニーのVLOGミラーレスカメラ おすすめな7つの理由
21年の9月17日にソニーからVLOG用のAPS-Cミラーレス一眼カメラ、ZV-E10が販売されました。 Youtubeなどの動画撮影に向いているカメラで「動画をそろそろしっかりと撮っていきたいなぁ! ...
続きを見る
しかし軽いAPS-Cカメラだからこそ全体の重量も軽くし、お買い得なAPS-Cカメラだからこそ高いレンズは手が延ばしにくいと言うのもこれまた心情です。
そんな需要に叶うAPS-C用レンズを探している中で発売されたのがSigma 18-50mm F2.8 DC DN Contemporaryです。
今回は実際にレンズを購入して写真・動画の撮影で使ってみた作例とレビューを合わせてSigma 18-50mm F2.8 DC DN Contemporaryの魅力についてご紹介します。
目次
Sigma(シグマ) 18-50mm F2.8 DC DN Contemporaryの概要
Sigma 18-50mm F2.8 DC DN Contemporaryは2021年10月29日にLマウント用、Eマウント用として販売されたAPS-Cサイズの標準ズームレンズです。
重量は290gで長さは76.5mm、フィルター径は55mmとF2.8通しの大口径ズームレンズながら非常に軽量でコンパクトな作りです。
ポイント
SigmaのContemporaryラインは高性能で小型軽量を売りにしています。
形状はマット調のプラスチックの鏡筒でシンプルな作りとなっており、小型なZV-E10と組み合わせたデザインバランスも良好です。
またレンズは簡易防塵防滴構造にもなっています。
レンズ内手振れ補正や、AF・MFの切り替えスイッチは搭載されていませんが、実売価格が6万円以内とリーズナブルで、性能を考えると非常にコストパフォーマンスが優れているレンズです。
Sigma(シグマ) 18-50mm F2.8 DC DN Contemporary 製品仕様 | |
ブランド | シグマ |
焦点距離 | 18-50 |
F値 | F2.8 ~ F22 |
レンズマウント | Lマウント、Eマウント |
レンズ構成枚数 | 10群13枚(SLD1枚、非球面レンズ3枚) |
絞り羽根枚数 | 7枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 12.1(W)-30(T)cm |
最大撮影倍率 | 1:2.8(W)-1:5(T) |
フィルターサイズ | φ55mm |
最大径×長さ | L マウント:φ65.4mm×74.5mm ソニー E マウント:φ61.6mm×76.5mm |
質量 | 290g |
付属品 | 花形フード(LH582-02) |
希望小売価格(税込) | 73,150円 |
F2.8のAPS-C用の大三元 標準ズームレンズ
Sigma 18-50mm F2.8 DC DNの魅力の1つはF値が通しで2.8と明るく、フルサイズ換算で約27-75mmと日常使いしやすい焦点距離をカバーしてる点です。
映りはSigmaのレンズらしくシャープでキレがある描写をしています。
コントラストも美しく表現され、F2.8にした際の背景のボケも綺麗に撮影できます。
ポイント
同じF2.8でもフルサイズ機と比較するとAPS-C機ではボケ味が弱い傾向になりますがそれでも十分に綺麗なボケ写真や動画が撮れます。
不自然な歪みなども特に感じれず、光源を撮影した際のフレアやゴーストの発生も抑えられています。
ズームリングも滑らかで撮影時にはスムーズに調整もおこなえます。
画質としても良好で、APS-Cのミラーレスを使って撮影するのならばこれ1本あれば大抵のものは撮影ができると言えます。
比較対象ですが、今までソニーのミラーレスAPS-C用として発売されているF2.8のズームレンズは選択肢が少なく、長らくソニー純正のGレンズ E 16-55mm F2.8ぐらいでした。
3つを焦点距離だけを見て比較するとSigmaのレンズが広角・望遠域共にカバー範囲は狭くはあります。
しかしソニー純正のレンズは価格が12万円とSigmaレンズと比較すれば価格が倍ほど違います。
またタムロンのF2.8レンズも実売が7万円台になるのでこれと比較しても1万円以上は安いのでシグマのコスパの良さが良くわかるポイントです。
ポイント
実際にさらに広い画角が欲しいときは広角レンズ、望遠が欲しい時は望遠レンズを装着しがちなので、実用範囲は十分と言えます。
わずか290g!軽量小型でコンパクト
そしてこのレンズの最大の魅力は小型軽量さで長さが76.5mmと片手に収まるサイズで、重量は290gと非常に軽量な点です。
「軽さは正義」と言う言葉がありますがまさにその通りで、レンズは軽ければ軽いほど持ち運びのストレスも減少しフットワークも軽くなることでより軽快に構図に集中して撮影をおこなえます。
一般的にF値が明るいズームレンズではサイズも重量も増す傾向があります。
しかしこのレンズは同じSigmaで小型軽量を売りにしているContemporaryラインの35mm単焦点が長さ73.3mm、重量が265gでほぼ同等と比較すると驚きな軽さです。
広角・望遠と撮影可能な焦点距離の範囲が広くなるとその分大型化してしまいますが、そのバランスをとったことでF2.8のズームレンズでは他に類を見ないほどの軽量さになったと言えます。
比較対象レンズの重量
Sony E 16-55mm F2.8:494g
Tamron 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD:525g
ミラーレスのAPS-C用のレンズだからこそ軽量・コンパクトにできる側面がありますが、Sigma 18-50mm F2.8 DC DNはまさにその特徴をしっかりと捉えているレンズと言えます。
APS-Cのミラーレスカメラは軽量さが売りなところもあるので、レンズとボディの組み合わせを出来るだけコンパクト、軽量にできる点はかなりのポイントと言えます。
AF速度も高速 動画撮影用レンズにもおすすめ
AF速度の面でも特に問題はなく、静穏性に優れているステッピングモーターを採用していおり、ピント合わせの音もほぼ無音です。
前後でのAF迷いもあまり感じず、しっかりと被写体に合わせて追尾してくれます。
それによりAF速度が求められる動きが早い被写体の追尾から、Youtubeに投稿するVLOGなど動画撮影にも向いているレンズと言えます。
ポイント
軽量小型なところから動画撮影時の手持ちの負担が少ないのもメリットです。
レンズ内の手振れ補正機能はないので、動画撮影時は強力なアクティブ補正が使えるZV-E10やボディ内手振れ補正があるα6600などのカメラボディとは相性が良いと言えます。
自分は動画撮影が一番の目的であるZV-E10用のレンズとして購入したのもあり、基本的には動画撮影では必須のNDフィルターをよく装着しています。
Sigma 18-50mm F2.8 DC DNのレンズ径は小さめな55mmです。
自分が多く所有しているレンズが67mmなことからNDフィルターは67mmでステップアップリングを使い装着していますが、個人的には見た目においてもあまり違和感なく持ち運びや撮影ができています。
最短撮影距離が12.1cmでマクロ撮影が可能
このレンズが使いやすい特徴の1つがその接写性能です。
最短撮影距離が12.1cmとマクロ撮影のような感覚でレンズを使用できます。
最短撮影距離
広角側で12.1cm、望遠側で30cm
より被写体に近づいて撮影することでその分背景をボカして撮影できるので、ソニー純正など比較対象のF2.8のレンズと比べてもよりボケ味を生かした撮影が可能です。
比較対象レンズの最短撮影距離
Sony E 16-55mm F2.8:33cm(最短撮影距離)
Tamron 17-70mm F2.8:19cm (広角) / 39cm(望遠)
最短撮影距離が短いことで、例えばYoutubeなどでカメラに被写体を近づける商品レビュー動画を撮りたい際などにも便利に撮影できます。
小型軽量で動画向きレンズはジンバルを使った撮影にもおすすめ!
小型軽量でコンパクト、AF性能も良好で動画撮影にも使えるとなると、移動しながら手振れのないスムーズな映像を撮影するために必須アイテムである「ジンバル」との相性も抜群と言えます。
撮影機材であるジンバルについては下記記事にて詳しく紹介しています、
【ジンバルのおすすめ】スマホ&ミラーレス用ジンバルの選び方・使い方
カメラやスマホでなめらなか動画を撮影するのに使える機材にジンバルがあります。 YoutubeをはじめTwitterやInstagramのSNSで、クリエイティブな動画作品や日常を映すVLOG動画などの ...
続きを見る
手振れを抑えた映像を撮影できるジンバルを使用するときの懸念点の1つに重量があります。
ミラーレスを乗せれるジンバルは重量が1kg以上するものが多く、さらにそれに合わせてレンズとボディの重さを加えた重量を撮影中に常に手で持ち続けるとなるとなかなかの負担です。
ポイント
またコンパクトなジンバルであればあるほど積載可能なグラム数の上限も低いので、組み合わせによっては物理的に乗せれない可能性もあったりします。
しかしα6600の場合なら重量が503gと18-50mm F2.8 DC DNの重量290gと加えて800g以内の重量に収まります。
さらにZV-E10の場合では343gなことから合計で633gとより軽量にまとまるので、まさにAPS-Cミラーレスのジンバル撮影において非常に向いている組み合わせと言えます。
2021年に新しく販売されたZhyunの高機能ながらコンパクトでパワフルなジンバル「Crane M3」とも相性は抜群で余裕をもって積載できるので、より軽快にジンバルを使った撮影をしたい方にはかなりおすすめなレンズとジンバルのセットです。
ポイント
重量のあるフルサイズミラーレス機の総重量を軽くするため、APS-Cモードを使いこのレンズを使うのも良い組み合わせだと思います。
Zhiyun CRANE M3の魅力に関しては下記で詳しく紹介しています。
Zhiyun CRANE M3 レビュー | フルサイズカメラ対応の軽量小型ジンバル
移動しながらでもブレの少ない映像を撮影できるガジェットが手振れを抑えるジンバルです。 自分は今までジンバル内蔵型の小型カメラOsmoPocketや、RX100などの小型のコンデジが向いているZhiyu ...
続きを見る
Sigma 18-50mm F2.8 DC DNの作例
Sigma 18-50mm F2.8 DC DNとZV-E10との組み合わせでスナップを中心に撮影しました。
VLOGの動画向けと言われているカメラですが、性能はα6000シリーズと変わらないので写真も良好に撮影できます。
撮影データは現像していない撮って出しのデータです。
写真の作例
動画の作例
同じZV-E10との組み合わせのテストも兼ねて自分を被写体にシネマティック風な短い動画を作ってみました。
撮影のレンズはすべてSigma 18-50mm F2.8 DC DNにておこなってます。
動画は1人撮影でおこないましたが、そんな時に外でも安定して立ち、長さも簡単に調整できる自立式一脚があるとかなり使い勝手よく撮影できます。
自立一脚 Libec TH-M KIT | 三脚のように安定するおすすめ一脚
「ミラーレス一眼を使って動画をしっかりと撮っていきたいな」と考えてたところ、課題にあがったのは三脚などを使った高い位置のカメラの固定方法です。 Youtubeでのガジェット紹介系の動画から、自分を映し ...
続きを見る
まとめ
ソニーのミラーレスAPS-C用レンズSigma(シグマ) 18-50mm F2.8 DC DN Contemporaryについて作例を交えてレビューしました。
その最大の魅力は290gと言う驚くほどの軽さながら、通しF2.8の使いやすい標準域の大三元ズームレンズな点です。
それに加えて比較対象の競合レンズより最短撮影距離も短くマクロ撮影が可能でコストパフォーマンスにも優れていると非常に魅力的なレンズです。
ポイント
ZV-E10やα6000シリーズが2021年後半から一時的に生産停止になってしまい発売タイミングが悪かったと言えるレンズで、カメラボディの供給があればさらに話題になってたレンズだとも思います。
静止画の写真撮影用のレンズとしては勿論、ジンバル利用も視野にいれた動画撮影にも向いているまさにオールマイティーなレンズと言えます。
APS-C用の標準レンズを探している方は是非に購入を検討してみてください。
APS用で16mmの明るい広角レンズなので使い分けができます。おすすめ! Sony α6400などのAPS-C ミラーレスカメラで使えるEマウントレンズの1つにSIGMAが出している「16mm F1.4 DC DN Contemporary」があります。 明るくて軽量小型で ... 続きを見る
【作例・レビュー】SIGMA 16mm F1.4 DC DN | ポートレートから動画まで おすすめの広角単焦点レンズ
その他ZV-E10やα6000シリーズの動画撮影のおすすめレンズをご紹介! ソニーから販売されたVLOG用カメラZV-E10は、動画が撮りやすいように設計されているAPS-C型のミラーレス一眼カメラです。 Youtube撮影に最適なVLOG用カメラとしては、同じソニーから先に ... 続きを見る
ZV-E10 おすすめレンズ8選 動画・VLOGレンズの選び方