最近、「VRゴーグルを使って映画を楽しみたい」「友人と一緒にメタバースの世界で遊んでみたい」といった声をよく聞くようになりました。
VR技術の進歩とともに、家庭でも手軽にバーチャルリアリティ体験ができる時代が到来しています。

2024年10月、Metaから新型VRゴーグル「Meta Quest 3S」が発売され、従来の上位モデル「Meta Quest 3」との違いにも注目が集まっています。
重要なポイント
・Quest 3Sは約3万円安いエントリーモデル
・処理性能とMR機能は上位モデルのQuest3と同等
・レンズとディスプレイ品質に差がある
・初心者には買いやすいコスパの良さ
今回は、Quest 2からQuest 3に買い替えて実際に使用している自分が、Quest 3の使用感と公開されているQuest 3Sの詳細スペックを比較しながら、どちらを選ぶべきかを詳しく解説していきます。
目次
01. Meta Quest 3Sとは?基本性能と特徴
Meta Quest 3Sは、2024年10月15日に発売されたMetaのエントリーモデルVRゴーグルです。
従来のQuest 2の後継モデルとして登場し、
上位機種であるQuest 3の性能を一部受け継ぎながら、価格を抑えたコストパフォーマンスの高いモデルとなっています。
中でも注目すべきは、Quest 3と同じプロセッサー「Snapdragon XR2 Gen 2」を搭載している点。
これにより、Quest 2と比べておよそ2倍の処理性能を実現しており、アプリの起動や動作も快適になっています。
Quest 3Sの主な特徴
・Quest 3と同等の処理性能(Snapdragon XR2 Gen 2)
・カラーパススルー機能によるMR体験
・Quest 3より約3万円安い価格設定
・128GB/256GBの2モデル展開
・Quest 2からの大幅な性能向上
また、カラーパススルー機能により、現実世界にバーチャルオブジェクトを重ねて表示するMR(複合現実)体験も可能です。

Meta Quest 3S 製品仕様 | |
プロセッサー | Snapdragon XR2 Gen 2 |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 128GB / 256GB |
ディスプレイ解像度 | 片目あたり 1832×1920 |
視野角 | 96度 |
リフレッシュレート | 72Hz / 90Hz / 120Hz |
重量 | 約514g |
バッテリー駆動時間 | 約2.2時間 |
IPD調整 | 3段階(58mm / 63mm / 68mm) |
【参考価格】
- Meta Quest 3S 128GB:48,400円程度
- Meta Quest 3S 256GB:64,900円程度
- Meta Quest 3 512GB:81,400円程度
※価格は参考値です。最新の価格は各販売サイトでご確認ください。
02. Quest 3 vs Quest 3S スペック徹底比較
両モデルの詳細なスペック比較を見ていきましょう。
実は共通している部分が多く、主な違いはディスプレイとレンズ性能の部分となります。
共通する性能要素
Quest 3とQuest 3Sは、以下の重要な部分が共通しています:
・プロセッサー: Snapdragon XR2 Gen 2(同一チップ)
・メモリ: 8GB(同容量)
・パススルー機能: カラー4MP、18PPD解像度(同品質)
・コントローラー: Touch Plusコントローラー(完全に同一)
・ヘッドストラップ: 後頭部バンド構造(アクセサリー互換)
処理性能について:
Quest 3SがQuest 3と同じプロセッサーを搭載しているため、アプリの動作やゲームプレイは基本的に同等です。
解像度が低い分、むしろQuest 3Sの方がフレームレートが安定する場面もあるようです。
主要な違いを詳細比較
項目 | Quest 3 | Quest 3S |
ディスプレイ解像度 | 片目あたり 2064×2208 | 片目あたり 1832×1920 |
視野角 | 110度 | 96度 |
レンズ種類 | パンケーキレンズ | フレネルレンズ |
IPD調整 | 連続可変(53-75mm) | 3段階(58/63/68mm) |
重量 | 約515g | 約514g |
ストレージ | 512GB | 128GB / 256GB |
イヤホンジャック | あり(3.5mm) | なし(USB-C変換必要) |
バッテリー駆動時間 | 約2.2時間 | 約2.5時間 |

Quest 3Sの独自メリットとしては、本体にアクションボタンがついており、この操作でパススルー機能のON/OFFの切り替えが可能です。
Quest 3などでも本体側面をダブルタップすることで切り替えできますが、より操作がシンプルにおこなえます。
MetaQuest 3、Quest 2の詳細に関しては下記記事でまとめてますので良ければこちらもご覧ください。
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03. 画質と視覚体験の違い - パンケーキレンズのメリット
両モデルの最も大きな違いは、レンズとディスプレイの品質です。
この差はVRでの使用体験上では重要なポイントになります。どのように違うのかを詳しく見ていきましょう。
レンズ性能の違い
Quest 3のパンケーキレンズは、薄型設計のお陰でレンズの歪みが少なく、画面の端まで鮮明に見えるのが特徴です。

一方、Quest 3Sのフレネルレンズは、Quest 2と同じ技術を採用しており、暗い場面で同心円状の波紋が見える場合があります。
レンズの実用面での違い
パンケーキレンズ(Quest 3)の特徴
・画面全体が均一にクリア
・長時間使用での疲労軽減
・重心バランスが良好
フレネルレンズ(Quest 3S)の特徴
・中央部分は十分にクリア
・暗いシーンで若干の波紋が見える
・コストパフォーマンスに優れる
解像度と視野角の体感差
Quest 3は片目あたり2064×2208、一方でQuest 3Sは1832×1920の解像度となっています。
実際に使ってみると、細かい文字の読みやすさには明確な違いがあり、特にブラウザ操作や仮想デスクトップでの作業にはこの差が響いてきます。
ただし、ゲームや動画視聴が中心の場合は、そこまで大きな不満を感じることは少ないといえるでしょう。

また、視野角にも違いがあります。
Quest 3は約110度、Quest 3Sは約96度となっており、Quest 3のほうがより広く自然な視界を体感できます。
この視野の広さは、映画鑑賞やゲームプレイ時に没入感をより高めてくれるポイントとなります。
VR内の世界に“入り込んだ”ような臨場感を求める方には、Quest 3がやはり一歩リードしている印象です。
04. 使い勝手と装着感の比較
装着感と重量バランス
Quest 3とQuest 3Sの重量差はほぼ同等で、装着時の重さに大きな違いはありません。しかし、重心バランスには若干の違いがあります。
Quest 3のパンケーキレンズは薄型のため、本体の重心がより後ろ寄りになり、装着時の安定感が向上しています。
自分はバッテリー付きのEliteストラップを使用していますが、こちらを使うことで更に前後のバランスは向上するので、Quest3、3S共にこれらのアクセサリーで調整するのもおすすめです。
IPD(瞳孔間距離)調整の違い
Quest 3は連続可変調整(53-75mm)に対し、Quest 3Sは3段階調整(58/63/68mm)です。
この違いは、顔の骨格によっては重要な要素になります。IPDが標準的な範囲(58-68mm)にある方には大きな問題はありませんが、それ以外の方はQuest 3の方が快適に使用できる可能性があります。
イヤホン接続の違い
Quest 3には3.5mmイヤホンジャックが搭載されていますが、Quest 3Sにはありません。
Quest 3Sで有線イヤホンを使用したい場合は、Bluetoothワイヤレスイヤホンの利用が基本となります。
この点は、音漏れを気にする環境での使用を考えている方には重要なポイントになるかもしれません。

05. 価格とコストパフォーマンスの違い・比較
価格差と性能差のバランス
Quest 3(512GB)とQuest 3S(128GB)の価格差は約33,000円です。
この価格差に対して得られる性能や機能の違いは以下の通りです。
Quest 3で得られるポイント
・高解像度ディスプレイ(約13%の解像度向上)
・パンケーキレンズによるクリアな視界
・広い視野角(14度の拡大)
・連続可変IPD調整
・大容量ストレージ(512GB vs 128GB)
・3.5mmイヤホンジャック
ストレージ容量の考慮
Quest 3は512GBのみの展開となり、Quest 3Sは128GB/256GBの2モデルです。
VRゲームは容量が大きく、人気タイトルは5-10GB程度必要です。
128GBモデルでは実際に使用できる容量を考慮すると、10-15本程度のゲームしかインストールできません。
また4K動画をダウンロードする際にもすぐ容量がいっぱいになってしまうのも考慮したいポイントになります。
長期的な使用を考えると、256GBモデル以上がおすすめです。
06. 用途別おすすめのMetaQuestモデル
Quest 3がおすすめな人
性能重視・長時間利用・仕事用途にはQuest 3がベスト
・長時間利用する方 - パンケーキレンズによる疲労軽減効果を実感
・高画質を重視する方 - ゲームや映画鑑賞で細部まで美しい映像を楽しみたい
・仕事でVRを活用する方*- 文字の読みやすさと疲労軽減が業務効率に直結
・有線イヤホンを使いたい方 - 3.5mmジャック搭載で音漏れを完全に防げる
・大容量ストレージが必要な方 - 多数のゲームや4K動画を本体に保存したい
Quest 3Sがおすすめな人
エントリーモデルとして3Sは非常におすすめ
・VR初心者の方 - コストを抑えてVRの世界に入門、十分に感動的な体験が可能
・たまに使用する程度の方 - 週末や休日のカジュアル利用なら性能は十分
・予算を抑えたい方 - 5万円程度の予算で浮いた分をゲームやアクセサリーに回せる
・MR機能を手軽に体験したい方 - 上位モデルと同等のMR体験を低コストで実現
・短時間集中利用が中心の方 - フィットネスやリズムゲームなど30分〜1時間程度の利用
07. 快適性を向上させるおすすめ公式アクセサリー
Quest 3/3Sをより快適に使用するために、Meta公式のアクセサリーをご紹介します。
どちらも長時間の使用や利便性が大きくアップするおすすめアイテムです。
Meta Quest Eliteストラップ バッテリー付き
装着感とバッテリー持続時間を大幅に改善
標準のゴム製ストラップと比較して、装着感がぐっと向上する公式アクセサリーです。
背面のダイヤル操作でフィット感を素早く調整できるので、簡単に装着できるのもメリットです。
主な特徴
・人間工学に基づいたダイヤル調整機能
・重量を分散させる上部ストラップ
・最大2時間のバッテリー延長(合計約4.2-4.7時間の使用が可能)
・Quest 3/3S両方に対応
・柔らかいシリコン製後頭部ブレース
またバッテリー付きモデルは、長時間プレイ時間が伸びるだけではなく、後頭部に重量が加わることでフロントヘビーが解消され、重量バランスが大幅に改善されます。

Eliteストラップの詳細に関しては下記記事でもご紹介しています。
-
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Meta Quest 3 充電ドック
置くだけ充電でいつでも準備万端(Quest 3専用)
ヘッドセットとコントローラーを同時に充電できるワイヤレス充電ドックです。
こちらはQuest 3専用となっており、Quest 3Sには対応していません。
主な特徴
・ヘッドセット+コントローラー2個の同時充電
・置くだけの簡単ワイヤレス充電
・コントローラー用充電式バッテリー2個付属
・LEDインジケーターで充電状況をお知らせ
・Eliteストラップ着用時でも充電可能
・スタイリッシュな収納スタンド機能
・Quest 3専用(Quest 3Sは非対応)
コントローラーは専用の充電式バッテリーに交換する必要がありますが、単3電池の交換頻度を考えると長期的にはコストパフォーマンスに優れています。
また、使用後は必ずドックに置く習慣ができるため、「充電し忘れて使えない」というトラブルを防げる点も大きなメリットです。
注意点: Quest 3Sをお使いの方は、別途Quest 3S対応の「Meta Quest コンパクト充電ドック」やサードパーティのものが用意されているため、そちらを検討してみてください。
その他のQuest3対応のおすすめアクセサリーは下記記事でも紹介しています。
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08. まとめ
Quest 3とQuest 3Sの比較ををおこない、両モデルの性能面や機能面の違いをご紹介しました。
Quest 3Sは「性能も重視したいけど、価格は抑えたい」という方向けとしては、非常に試してみやすいおすすめのエントリーモデルです。
処理性能やMR機能はQuest 3と同等でありながら、約3万円安い価格設定は非常に魅力的と言えます。
一方で、本気でVR・MRの世界を楽しみたい方には、Quest 3の方が間違いなく満足度が高いといえます。
パンケーキレンズによるクリアな視界と高解像度ディスプレイの性能の違いは、VRゴーグルと言う性質から長時間の使用や細かい作業において大きな差になると思います。

特に文字の読みやすさやレンズによる歪みの軽減で、かなり快適なVR体験ができるようになりました。
最終的な選択基準
Quest 3Sを選ぶべき方:
・VR初心者でコストを抑えたい
・たまに使用する程度の頻度
・MR機能を手軽に体験したい
Quest 3を選ぶべき方:
・長時間の使用を予定している
・仕事でもVRを活用したい
・最高品質の画質とレンズ性能を求める
・大容量ストレージが必要
それぞれの特徴を理解したうえで、あなたの使い方に合った1台を選んでくださいね!
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