2020年に大容量バッテリー「EFDELTA」を発売したのを皮切りに様々なポータブル電源を販売しているのがEcoFlow(エコフロー)。
EcoFlowの製品はクラウドファンディングの「Makuake」で出品した際には5億円以上の応募金額を集めて歴代最高金額を記録したこともあったりと、ポータブル電源において大変注目を浴びている企業です。
今回はそんなEcoFlowが2021年に発売した「RIVERシリーズ」で小型ながら高性能なモデル「EcoFLow RIVER Pro(エコフロー リバー プロ)」を実際に購入したので製品の特長やポイントの説明からレビュー、車中泊などに使ってみた感想をお伝えします。
目次
大容量ポータブル電源 EcoFlow RIVER Pro 概要
「EcoFlow RIVER Pro(エコフロー リバープロ)」は720Whを誇る大容量ながらキャンプや車中泊などのアウトドアでも持ち運びしやすいポータブル電源です。
ポイント
昔は名称が「RIVER 600 Pro」だったところ「RIVER Pro」へと変更されたようです。
定格出力は最大600Wで瞬間最大出力は1200Wまで対応が可能です。
しかしEcoFlowの大きな特徴の1つとしてX-Boost機能があり、これを活用することでなんと電子レンジやドライヤーなどの1200Wほど必要な家電でも長時間、問題なく動かすことができます。
出力端子はUSB、ACコンセントなど最大10製品への同時給電も可能となり、これ1つあれば外出先でも殆どの電化製品の使用から充電をカバーできます。
本体には大画面の液晶ディスプレイが備わっており、残りのバッテリー残量を数字とインジケーターでわかりやすく視覚的に確認できます。
ポイント
使用電源のワット数や使用可能時間、充電中の入力ワット数から充電完了時間を数字で確認できるのも便利です。
付属品にはAC充電ケーブル以外にもシガーソケット用の充電ケーブル、ソーラーパネル用の充電ケーブルがついています。
付属品 一式
・DC5521-DC5525 ケーブル ・1.5m MC4 to XT60 ソーラーパネル充電ケーブル
・1.5m AC充電ケーブル ・1.5m シガーソケット充電ケーブル ・ユーザーマニュアル
またポータブル電源は海外製品が多い中、説明書から専用アプリ、サポートも日本語対応されているところから安心感もあります。
さらにRIVER Proは拡張機能としてRever Pro専用のエクストラバッテリーが別売されており、これを接続することで容量は2倍の1440Whと超大容量に拡張も可能です。
ポイント
エクストラバッテリーは本体と有線接続。個別に分けて持ち運びできます。
価格は定価が79,800円となりますが、バッテリー容量と使用ワット数の上限などのバランスを考えるとコストパフォーマンスに優れています。
EcoFlow RIVER Pro スペック 製品仕様 | |
商品名 | EcoFlow RIVER Pro |
容量 | 720Wh (28.8V) |
電池素材 | 三元素リチウムイオン |
保存性 | 1年(フル充電後) |
寿命 | 800回以上 (80%+) |
AC充電入力電力 | 最大660W(X-Steamテクノロジー) |
ソーラーチャージ入力 | 200W 10V-25V DC最大12A |
シガーソケット入力 | 12V DC最大10A |
AC出力 | 600W (サージ1200W),100V AC( 50Hz/60Hz) |
出力ポート数 | ・AC出力(x3)・USB-A出力(x2)・USB-A急速充電(x1)・USB-C出力(x1)・シガーソケット出力(x1)・DC5521 出力(x2) |
重量 | 7.2kg |
寸法 | 28.9x 18.0 x 23.5 cm |
保証期間 | お買い上げ日から24カ月 |
EcoFlow RIVER Maxやその他モデルとの比較
EcoFlowのRiverシリーズのベースには「RIVER」と「RIVER Pro」の2種類があります。
それらに加えて、「RIVER」と専用の追加バッテリーが最初からセットになっているのが「RIVER Max」となります。
RIVER ProとRIVER Maxのスペックは性能差や充電ポート数、外観はあまり変わりません。
大きな違いの1つはバッテリー容量で、Proは720Wで、Maxでは576Wです。
AC充電入力はProでは最大660Wで、Maxでは500Wなので充電速度もProのほうが早いです。
また重量は容量と反比例しておりRIVER Proのほうが500gほど軽く、縦の大きさも4mmと若干ながらコンパクトになっています。
但し照明関連においてはRIVER Maxでは搭載されていたムードライト機能はProでは無くなっており、フラッシュライトだけとなりました。
ポイント
ライトの2段階の明るさ変更、SOSの点滅モードと一般的な機能は使えるのでポータブル電源本体の照明にこだわりがなければ問題ありません。
またRIVER Maxは追加バッテリーを外すことで性能や機能はそのままで容量が288Whの小型なポータブル電源「RIVER」として使えるので、気軽に外へ持ち出したい時が多い場合は、RIVER Maxのほうが取り回しが良いとも言えます。
ポイント
RIVER Pro専用のエクストラバッテリーはMaxには装着できません。
価格自体はProよりMaxのほうが安いので必要なバッテリー容量で選択しても良いかと思います。
最大10口まで同時充電可能 USB-Cは最大100W出力が可能
EcoFlow RIVERシリーズの充電ポートはAC出力(一般的なコンセント)が3口、USB Type-Aが3口、Type-Cが1口、シガーソケット出力が1口、DC出力が2口の計10口ついています。
充電ポートを複数使っての電化製品の同時充電または同時使用も可能です。
USBは急速充電にも対応しており、USB-Cは最大100W出力が可能です。
これは最新のMacBook Proの充電も可能な出力で、100W出力が可能な5A対応のUSBケーブルさえあればワット数が必要なノートパソコンも問題なく本来のスペックで充電できます。
USB-Aポートの3口も2つは「5V / 2.4A」、もう1つは「QC3.0」に対応しています。
AC出力は純正弦波で定格周波数も50/60Hzの選択式です。
国内で販売されいてる殆どの電化製品に対応しているので安心して利用することができます。
ポイント
ACコンセントの口が3つあるのも使い勝手がよくておすすめなポイントです。
1200Wまでの家電なら使える X-Boost
EcoFlowの大きなメリットの1つが使用可能な電化製品の対応の広さです。
RIVERシリーズにはEcoFlow社独自の「X-Boostテクノロジー」が搭載されており、この機能をオンにすることで600W以上の出力が必要な家電も600Wまでに抑えて使用できるようになります。
それにより1200Wほど必要なIHコンロ、電子レンジやドライヤーなども問題なく使うことがおこなえるので、出力ワット数を考える必要があるポータブル電源ながらほぼほぼ家電の制限が無くなるのでのでかなり便利です。
ポイント
但しあくまで600Wに抑えての利用になるのでドライヤーの場合では風力などは少し弱めになります。
車中泊やキャンプ用のワット数が少ない家電をわざわざ購入しなくても家で普段使っているものを流用できるのは魅力と言えます。
自分も様々な家電をRIVER Proで試しに使って見ましたが現時点では特に問題なく使用できています。
X-Boost機能の注意事項
・X-Boost機能の利用時にはオーバーロードを回避するためデバイス1台のみ接続し複数台の給電は控える
・本体にAC充電しながらX-Boost機能は利用できない
・1200W以上の電化製品も使えるが、1200W以上の機器と接続し不具合が起きた場合は保証対象外に
他のポータブルバッテリーと比較しても早い高速充電
EchoFlow RRIVER Proの魅力の1つが充電速度の速さです。
EcoFlow社の独自技術「X-Streamテクノロジー」によってかさ張るアダプターもなく最大660Wで充電が可能です。
これによって充電時間は0%から80%までなら1時間以内、フル充電なら1.6時間で完了します。
他のポータブル電源も使っていますがこの充電速度は明らかに早く、現行のAnkerやJackeryなどの製品と比較してもかなり高速です。
またコンセント以外での充電として同封されているDCケーブルを使っての車での充電も100Wほどで可能です。
ポイント
車での移動時間で相当の電力を充電できるので、連泊での車中泊など車を使った旅行が多い人にはかなりおすすめです。
さらに最大200Wでのソーラー充電も可能で、110Wの純正ソーラーパネルを2枚接続することで最短4~8時間で充電が可能となります。
キャンプや災害時においても日中の時間帯で十分に必要分の電力を確保できます。
充放電サイクルも800回以上可能とかなり多く、長い期間バッテリー能力の低下などを感じることもなく利用できるのが魅力です。
また停電時に活躍するEPS機能(無電源装置)も備わっており、停電時には30ミリ秒以下で電池給電モードへ自動的に切り替わります。
その機能によりEcoFlowを充電しながらでも、バッテリーを経由せずに家庭用コンセントから電力を使うことができるのでバッテリーを痛める心配もありません。
ポイント
ポータブル電源を容量と出力可能ワット数だけで比較しがちですが、充電の早やさも加えて入力に関連する部分がEcoFlowはかなり優れています。
スマホアプリとの連携で遠隔操作・情報確認
EcoFlowにはiPhon,Androidどちらにも対応している公式アプリがあり、EcoFlow本体とスマホをペアリングすることで消費電力状況の確認から一部機能の設定を遠隔操作でおこなえるようになります。
またEcoFlow本体側だけでは設定変更ができないX-Boost機能のオンオフ設定をはじめ、周波数の変更、ボタン操作時のピープ音など細かな設定のカスタマイズが可能です。
その他にも実用的に設定できる変更項目として充電量の上限設定もあります。
充電量の上限を70%などに設定しておくことで自動的に充電が終わるようになります。
長期保管する時やバッテリー寿命のことを考慮した場合には満充電せずに残量を50~70%にして置いたほうがバッテリーに優しいと言われているので、緊急時の備えとしてポータブルバッテリーを準備しておきたい方にもおすすめです。
また特出すべき点としてはアプリを経由することでRIVER Pro本体のファームウェアのアップデートもおこなえます。
ちなみに過去のアップデートでは下記内容が改善されました。
参考
・ファンが回りだす仕様の変更 (静かになった)
・シガーソケットからの充電の改善 (安全性の向上)
今後何か不具合やトラブルが起きた際にも改善できる環境が整っているので、品質的な面でも安心して使うことができますね。
自分はこう使う! EcoFlow RIVER Proの使用例・レビュー
自分はキャンプや遠出をした写真旅などのアウトドアが好きで車を使ってよく外出していますが、その中でも特に車中泊のことを考慮してEcoFlow RIVER Proを購入しました。
パソコン仕事のフリーランスでもあるので、どこでも仕事ができるテレワーク環境を求めて、と言うのもありますね!
いままでは小型で持ち運びに優れているポータブル電源Anker Powerhouse II 400などを使っていました。
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どちらのポータブル電源を使ったうえでEcoFlow RIVER Proと比較して改善された使い勝手は下記の通りです。
EcoFlow River Proの良い点
- 1200Wまでの家電を気にせずに使える
- ACコンセントの口が3つあるので複数を同時に使える
- 家での充電なら1時間あれば80%充電できる
- 追加機材もなく車の中でも1時間で10%以上充電できる
やはり使用ワット数を気にせず使える点は大きく、自宅にある家電もそのまま使えることでかなり勝手は良くなりました。
そして今回EcoFlow RIVER Proと合わせて購入したのが山善のクッキング ポット & プレートです。
取っ手が折り畳み可能な鍋とフライパンのセットで600W出力の調理器具になります。
3つのパーツすべてが1つに重ねてスタッキングも出来てコンパクト。車にも収納しやすいサイズ感です。
ポータブル電源の調理器では300W以下で使える「ちょこっと家電」などもありますが、600Wなだけあり火力は強く2~3分もあれば珈琲2杯分ぐらいのお湯はすぐ沸かすことができます。
ポイント
クッキング ポット & プレートの電気コンロにはシェラカップやトランギアのケトルなども使えます。
ケトルは鍋の中にも収納できるのでその点でも便利!
ワット数の多い調理器具の消費電力は多めではありますが、それを補うのがEcoFlow RIVER Proの充電速度の速さです。
今までは2泊以上のキャンプや車中泊にいくと容量残量に注意してしまい節約する必要がありましたが、車のシガーソケットでもかなり充電できるようになったことでその心配がなくなったのがかなり喜ばしいポイントです。
EcoFlow RIVER Proと一緒に購入したいアクセサリー・家電製品
EcoFlow RIVER Pro専用エクストラバッテリー 720Wh
RIVER Proのバッテリー容量を2倍に増やせる専用のエクストラバッテリーです。必要な時に有線接続すればいいので別々の運用もしやすいです。
さらに容量を確保したい方にはおすすめです。
EcoFlow ソーラーチャージャー 160W or 110W
EcoFlowからは純正のソーラーパネルで160Wと110Wのものが展開されています。110Wのものを2枚準備することで最高効率で太陽光充電が可能になります。
キャンプや災害時の対策に頼もしいガジェットです。
dretec(ドリテック) IH クッキングヒーター
1000WのA4サイズより小さいIHクッキングヒーターです。
何よりもサイズのコンパクトさが特徴的で車中泊やキャンプなど大きな荷物では支障がある環境では活躍します。
ROAD WARRIOR トラベルケトルスマート
海外でも使える湯沸かしポット。450Wほどの出力で500mlまでお湯を作ることができるのでカップラーメンから珈琲やお茶を手間なく作りたい時に便利です。
直流炊飯器 タケルくん DC12V専用
車にもあるDCソケットを使って車内で炊き立てのご飯が食べれる炊飯器です。120Wと省電力で使えるのも魅力で多くの車中泊好きの方が使われてます。
別売りオプション品のムスヨ婆さんを使うと蒸し料理なども作ることができます。
Sugiyama 電気ひざ掛け毛布 洗える 日本製 140×82cm
自分も実際に愛用している電気毛布です。デザインも可愛くて暖房効果もしっかりあるので不満な点は今のところありません。
寒い時期の車中泊や車の中でノートパソコンでテレワーク作業するときにはかなり助かってます。
Goture 8L コンパクト 車載冷蔵庫
-20度から20度まで温度変更が可能な8Lのコンパクトな車載冷蔵庫です。縦長なのもありスペースに余裕がない車には使いやすいサイズ感です。
消費電力も少なく、温度が下がりにくいペルチェ式ではないのでしっかりとした冷蔵庫として使えると好評です。
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まとめ
EcoFlowの大型ポータブル電源、RIVER Proを実際に購入して使ってみた感想やレビューをまとめました。
いままでも様々なポータブル電源を使ってきましたが、容量、性能、コンパクトさ、そして価格と他のポータブル電源と比較しても強みが多く隙がない製品となっています。
特に1200Wの家電も問題なく使えるX-Boost機能は素晴らしく、自宅にある消費電力が大きいIHコンロやドライヤーも利用できるのでアウトドアでの制限がかなり解消されます。
そして充電速度が早くどのような環境でも対応できることから、長期旅行から災害などの緊急時にも安心できるポータブル電源です。
EcoFlow RIVER Proはどのようなニーズにもマッチする製品なので、ポータブル電源をお探しの方は是非チェックしてみてください。
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