カメラを使い始めるのは、とても楽しい経験と言えます。でも初めての人にとっては少し操作や技術的に難しいこともあるかもしれません。
ここではカメラ初心者が覚えておくと良いポイントを紹介します。これらを知っておくことで、より良い写真を撮ることができます。
この記事がおすすめの人
・これからカメラの撮り方を覚えたい人
・カメラの基本や必要なこと、楽しむための流れを知りたい人
・いまからはじめるのにおすすめのカメラや本を知りたい人
目次
1. カメラの基本を知ろう
まずは、デジタルカメラの使い方を知ることが大切です。シャッタースピード、絞り、ISO感度の関係を理解することで、どんな状況でもうまく撮影できます。
カメラの説明書をよく読んで、基本的な操作を覚えましょう。
そのうえで最初は撮影に必要な3つの要素を学んでいきましょう。
カメラに重要な3要素
- シャッタースピード:動いているものをどう撮るかに関係します。速いシャッタースピードで動きを止め、遅いシャッタースピードで動きをぼかせます。
- 絞り:背景のボケ具合を調整します。絞りを開けると背景がぼけ、絞ると全体がくっきり写ります。
- ISO感度:暗い場所で撮るときに感度を上げると明るく撮れますが、ノイズが増えることがあります。
ポイント
スマホとは違うボケ味が高い写真を撮れるのが、デジタルカメラならではと言えます。
まずは絞り値を決めるAモードなどを使ってみるのがおすすめです。
カメラの3要素に関しては下記記事で詳しく紹介しています。
カメラの3大要素をマスターしよう!シャッタースピード・絞り・ISO感度の基礎知識
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2. 写真の構図を学ぼう
良い写真を撮るためには、写真の構図も重要です。以下の基本的なルールを覚えておくと撮影の際に便利です。
写真の基本構図
三分割法
画面を縦横3分割し、大事な部分を交わるところや線の上に置くと、バランスが取れた写真になります。これは最も基本的な構図のルールで、風景写真やポートレート写真に多く使われます。
対角線構図
被写体を対角線上に配置すると、視線が自然に誘導されます。動きやダイナミズムを感じさせる構図です。スポーツ写真やアクション写真に適しています。
額縁構図
木や窓などで被写体を囲むと、焦点が強調されます。フレーム内のフレームを使うことで、視線を被写体に誘導し、注目を集めることができます。
シンメトリー
対象物を中央に配置し、左右対称の構図を作ります。シンメトリーは安定感と美しさを感じさせるため、建築写真や風景写真に多く使われます。
リーディングライン
道路や川などの直線を使って、視線を被写体に導く構図です。線の始まりから終わりまで視線が流れるようにすることで、写真に深みと奥行きを与えます。
三角形構図
被写体を三角形の頂点に配置し、安定感とバランスを持たせます。特にグループ写真や複数の被写体を撮影する際に効果的です。
ネガティブスペース
被写体の周りに余白を多く取ることで、被写体を際立たせます。シンプルな構図ながら、強い印象を与えることができます。ミニマリズムの写真に適しています。
斜め構図
被写体を斜めに配置することで、動きや緊張感を与えます。平坦なシーンを活気づけるために使うことができます。
中心構図(日の丸構図)
被写体を画面の中央に配置します。伝統的には避けられがちですが、被写体が非常に強力である場合やシンメトリーを活用する場合に効果的です。
3. 光の使い方を理解しよう
光は写真を撮る上でとても大事です。自然光でも、時間帯や天気によって写真の雰囲気が変わります。
光の種類の違い
ゴールデンアワー
日の出直後や日没直前の時間帯は、柔らかい光と暖かい色で美しい写真が撮れます。この時間帯の光は影が長くなり、被写体をドラマチックに演出するのに最適です。特に風景写真やポートレート撮影におすすめです。
曇りの日
曇りの日は光が柔らかくなり、影が少なくなるので、ポートレート撮影にぴったりです。曇り空が自然のディフューザーの役割を果たし、被写体に均一な光を与えます。このため、顔の影が少なくなり、滑らかな肌の質感を表現できます。
人工光
ストロボやLEDライトを使って、光をコントロールすることも大事です。スタジオ撮影では、照明の位置や角度を調整して、被写体に対する光の当たり方を自由に変えることができます。
自然光の方向を意識しよう
自然光を使う場合、光の方向を意識することが重要です。光が前から当たる「フロントライト」は、被写体を均一に照らしますが、平坦な印象になりがちです。一方、光が横から当たる「サイドライト」は、被写体に陰影をつけて立体感を出します。後ろから当たる「バックライト」は、シルエット効果を生み出し、被写体をドラマチックに見せます。
光の質を調整しよう
光の質を変えることで、写真の印象を大きく変えることができます。ディフューザーやリフレクターを使って、光を柔らかくしたり、反射板で光を補助的に当てたりすることで、被写体の見え方が変わります。特に、ポートレートでは、被写体の顔に対する光の質が重要です。
光を理解し、効果的に利用することで、写真のクオリティを大幅に向上させることができます。自然光と人工光の両方を使い分けることで、様々なシーンで最適な光を見つけ、表現力豊かな写真を撮影しましょう。
4. たくさん撮影しよう
写真の理論を学んだら、実際にたくさん撮影してみましょう。色々なシーンや設定を試して、自分のスタイルを見つけていきましょう。失敗を恐れず、多くの写真を撮ることで、自然と上手になります。以下に、撮影を通じて学びを深めるための具体的なポイントを紹介します。
毎日撮影する習慣をつける
毎日少しずつでも写真を撮ることで、カメラの操作や撮影のコツが自然と身につきます。日常の何気ない風景や物を被写体にすることで、観察力も養われます。
テーマを決めて撮影する
特定のテーマを決めて撮影することで、目的意識が生まれ、構図や被写体選びに工夫が凝らされます。例えば、「日の出」「街の風景」「家の中の静物」など、テーマを設定してチャレンジしてみましょう。
異なる設定を試す
同じシーンでも、シャッタースピードや絞り、ISO感度を変えて撮影することで、写真の雰囲気がどう変わるかを学べます。これにより、カメラの設定が写真に与える影響を理解することができます。
異なる被写体に挑戦する
ポートレート、風景、建物、動物、夜景など、さまざまな被写体を撮影することで、多様な撮影技術を身につけることができます。各ジャンルごとの特有のテクニックを学ぶことで、撮影の幅が広がります。
写真コンテストに参加する
写真コンテストに応募することで、自分の写真がどの程度のレベルにあるかを確認できます。また、他の参加者の作品を見ることで、新たなインスピレーションを得ることができます。
たくさん撮影し、さまざまな方法を試すことで、自分の撮影スタイルや好みが見えてきます。楽しみながら、継続的に練習することが上達の鍵です。
5. 写真の現像方法を学ぼう
撮影した写真を現像することで、さらに魅力的な作品に仕上げることができます。ここでは、初心者向けの写真現像の基本と、Adobe Lightroomを使った現像方法を紹介します。
まず覚えておきたい写真の現像項目
ホワイトバランスの調整
写真の色味を自然に見せるためにホワイトバランスを調整します。これは、写真全体の色調を決定する重要なステップになります。
露出の補正
明るすぎるまたは暗すぎる写真の露出を調整し、適切な明るさにします。
コントラストの調整
写真の明暗の差を強調して、被写体を際立たせます。
彩度と鮮やかさ
色の強さを調整して、写真をより生き生きと見せます。
Adobe Lightroomのおすすめ機能
・ プリセット:初心者でも簡単にプロのような仕上がりが得られるように、あらかじめ設定された現像パターンを適用できます。
・ヒストグラム:露出やコントラストを視覚的に確認しながら調整できます。
・ 部分補正:写真の特定の部分だけを選択して補正できるため、細かい調整が可能です。
・ クラウド同期:クラウドを利用して、異なるデバイス間で編集を同期できます。どこでも作業が続けられます。現像ソフトを使いこなすことで、自分の写真をさらに魅力的に仕上げることができます。
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6. SNSを活用して写真を見直して新しい視点を得よう
撮影した写真を定期的に見直し、改善点を見つけることが大切です。
また他の写真家や友人から意見をもらうことで、新しい視点やアイデアを得ることができるので、SNSを活用して写真をシェアすることもおすすめです。
InstagramやTwitter、Facebookなどで自分の作品を投稿し、他のユーザーから感想や反応を受け取ることができます。
ハッシュタグを使って写真を広く見てもらうことも有効です。SNSでの反応を見て、どのような写真が人気なのかを学び、次の撮影に生かしましょう。
ポイント
他の人の作品を分析しながら、構図や色合いなどの表現方法を見るのはかなり勉強になります。
またやはりお気に入りの写真に反応をもらえると励みになりますよね
一眼レフカメラとミラーレスカメラの違いを知ろう
カメラ選びにおいて、一眼レフカメラ(DSLR)とミラーレスカメラの違いを理解することは重要です。
一眼レフカメラ(DSLR)の特徴
・光学ファインダー:レンズを通した実際の光景を見ながら撮影できます。
・ミラー機構:レンズから入った光をミラーで反射させてファインダーに映します。
・バッテリー持ち:ミラーレスに比べてバッテリーの持ちが良いです。
・重量とサイズ:一般的にミラーレスより重く、大きいです。
ミラーレスカメラの特徴
・電子ファインダー:センサーからの映像をディスプレイに映し出します。
・ミラーなし:ミラー機構がないため、カメラの構造がシンプルで軽量化されています。
・サイズと重量:コンパクトで軽量なので持ち運びに便利です。
・静音撮影:シャッター音が静かで、目立ちません。
また全体的な価格としてはミラーレスカメラのほうが高い傾向です。
中古カメラも視野にいれると、一眼レフカメラのほうが高性能なカメラを割安で買いやすくはあります。
どちらのカメラも一長一短がありますので、予算や撮影スタイル、用途に合わせて選ぶと良いでしょう。
ポイント
ここ数年の各メーカーの主流はミラーレスカメラになっています。
新しいレンズもどんどん追加されているので、予算に余裕がある場合はミラーレスカメラがおすすめです。
おすすめのミラーレスカメラ
ここでは、初心者におすすめのミラーレスカメラを3つ紹介します。
ソニー α6400
ソニー α6400は、初心者にも使いやすいミラーレスカメラです。高速なオートフォーカスと優れた連写性能が特徴で、スポーツや動物などの動きのある被写体も簡単に撮影できます。軽量で持ち運びが便利なので、旅行にも最適です。
・特徴:24.2MP APS-Cセンサー、追随可能425点の位相差AF、高速連写性能。
・メリット:コンパクトなボディで持ち運びがしやすく、素早いオートフォーカスで動きのある被写体にも対応。
キヤノン EOS M50
キヤノン EOS M50は、初心者にぴったりのカメラで、簡単に高品質な写真や動画を撮影できます。4K動画撮影にも対応しているため、VlogやYouTube動画の撮影にも適しています。タッチスクリーンを備えており、直感的な操作が可能です。
・特徴:24.2MP APS-Cセンサー、デュアルピクセルCMOS AF、4K動画撮影対応。
・メリット:簡単な操作性と高画質で、初心者でも扱いやすい設計。
富士フイルム X-T30 II
富士フイルム X-T30 IIは、クラシックなデザインと最新の技術が融合したカメラです。フィルムシミュレーション機能を使えば、さまざまなフィルムの色調を再現でき、写真に独自の風合いを加えることができます。高速オートフォーカスも備えており、瞬間を逃さずに撮影できます。
・特徴:26.1MP X-Trans CMOS 4センサー、高速AF性能、ビンテージ風デザイン。
・メリット:フィルムシミュレーション機能が豊富で、様々な表現が楽しめる。
写真を勉強するのにおすすめの本
カメラはじめます!
・著者:こいしゆうか, 鈴木知子
・特徴:カメラ初心者に向けて、基本的な操作から撮影のコツまでをわかりやすく解説。
カメラを初めて使う人に最適な入門書です。カメラの基本操作から、構図や光の使い方、シーン別の撮影テクニックまで、豊富なイラストと具体的な例を使って丁寧に説明しています。初心者が撮影を楽しみながら上達できる内容になっています。
写真のことが全部わかる本 センス・知識ゼロからの写真のはじめかた、教えます。
・著者:中原 一雄
・特徴:写真の基本から応用までを網羅し、初心者でも理解しやすいように丁寧に解説。
写真撮影に関する知識が全くない初心者でも安心して学べるように書かれています。カメラの基本操作や設定、構図やライティングの基本から、実践的な撮影テクニックまで、豊富な図解と具体例を用いてわかりやすく説明しています。さらに、センスを磨くためのアドバイスや、写真を楽しむためのアイデアも豊富に盛り込まれており、初めての写真撮影をサポートする一冊です。
たった1日でカメラがわかる
・著者:西川 節子
・特徴:カメラ初心者でも1日でカメラの基本を理解できる、簡潔かつ実践的なガイドブック。
カメラを初めて手に取る人向けに書かれた、シンプルでわかりやすい入門書です。カメラの基本操作や設定、撮影テクニックを1日で学べるように工夫されています。豊富なイラストと具体的な説明により、初心者でもすぐに実践できる内容となっています。カメラの基礎をしっかりと押さえたい方におすすめの一冊です。
まとめ
カメラ初心者が最初に気をつけるべきポイントを紹介しました。カメラの基本を理解し、構図や光の使い方を学び、実際に多くの写真を撮って経験を積むことが大切です。
また、自分に合ったカメラを選ぶために、一眼レフとミラーレスの違いも知っておきましょう。特に、ミラーレスカメラを選ぶ場合は、ソニー α6400、キヤノン EOS M50 Mark II、富士フイルム X-T30 IIといったおすすめ機種を検討してみてください。
さらに、SNSを活用して写真をシェアし、他のユーザーからのフィードバックを受けることも上達の助けになります。そして、写真の知識を深めるためにおすすめの本を読んでみると、さらなるスキルアップが期待できます。写真を撮ることを楽しみながら少しずつ上達していきましょう。
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