2025年に登場した Godox iT30 Pro は、ストロボとコマンダーの機能をあわせ持つコンパクトな最新モデルです。私もソニー α7IVと組み合わせて購入しましたが、実際に使ってみると大口径レンズを使った際にケラレが発生するという課題に直面しました。
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Godox iT30 Pro レビュー|コマンダーにもなる小型TTL対応ストロボ
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「小型で使いやすいのに、ケラレのせいで思うように撮影できない…」と悩んでいたところ、解決策として見つけたのが新発売のGodox TR ホットシューライザーです。実際に導入してみると、ケラレを防げるだけでなく、撮影の自由度も大きく向上 しました。
ポイント
・iT30 Proと組み合わせることでケラレを解消
・約30mmの高さを確保して光軸をリフトアップ
・角度調整で天井バウンスや壁バウンスに対応
・オフストロボライティングにも活用可能
・軽量コンパクトで持ち運びもラク
この記事では、Godox TR ホットシューライザーを実際に使ってみたレビュー と、iT30 Proとの組み合わせでどのように撮影の幅が広がるのかを詳しく紹介していきます。

目次
Godox TR-S ホットシューライザー 概要
Godox TR-S ホットシューライザーは、ストロボとカメラの間に取り付けることで、約30mmほど高さを出せるカメラアクセサリーです。
特に同時期に販売されたGodox iT30 Proと組み合わせることで、ケラレを防ぎながら快適に撮影できるようになります。
もともとiT30 Proは小型軽量で扱いやすいストロボですが、ミラーレスカメラなどで大きめのレンズを装着すると、フラッシュの光がレンズに遮られてケラレが発生するという問題がありました。その結果、せっかくのストロボが使いづらいという状況でした。

そこで役立つのがTR-Sホットシューライザーです。高さを確保することでケラレを解消し、さらに角度調整もおこなえることによって天井バウンスも可能になります。iT30 Proのコンパクトさを損なわずに快適なライティングができる点が大きな魅力です。
またTTL自動調光やハイスピードシンクロ(HSS)にも対応しています。
ポイント
TRは小型ながら金属製で耐久性もあり、しっかりとした作りになっています。
クイックリリースフットの採用で、取り付けも簡単におこなえます。
【参考価格】
・Godox TRホットシューライザー:2,000円~3,000円程度
・Godox iT30 Pro:12,000円~15,000円程度
SONY、Canon、Nikonなど各メーカーに対応しています。SONYモデルの場合は「TR-S」と最後に対応するアルファベットが入ります。
Godox TR 製品仕様 | |
商品モデル | Godox TR |
サイズ | 約40mm × 32mm × 36mm |
角度調整 | 上下約90度チルト機構 |
マウント | ホットシュー(クイックリリースフット対応) |
重量 | 約26.5g |
材質 | 金属製 |
対応メーカー | SONY, Canon, Nikon, Fujifilm, Olympus |
対応モデル | iT30Pro, iT20, iT22 など |
※上記のリンクはSONY対応のモデルとなります。
Godox iT30 Proとセットでの装着例
取り付けはとてもシンプルで、カメラのホットシューにTR-Sを差し込み、その上にiT30 Proを装着するだけ。iT30 Proと同じ最新のクイックリリースフットが採用されているので、カチッと押し込めばしっかりロックされ、撮影中に外れる心配もありません。
iT30 Proはもともと小型設計のため、TR-Sを間に挟んでも全体のサイズ感はそれほど変わりません。V480などのクリップオンストロボと比べても十分コンパクトで、持ち出しやすい組み合わせです。
高さは約30mmほど増しますが、実際に装着してみると見た目以上にコンパクトにまとまります。むしろソニーα7シリーズのようなミラーレス機では、少し高さが出ることで全体のバランスが良くなる印象さえあります。
ポイント
・軽量装備で撮影したい方に特におすすめの組み合わせ
重量の点では最初少し気になっていましたが、30g弱程度なのであまり重さは変わらないです。
むしろレンズサイズを気にすることなく、ケラレを気にすることなく撮影に集中できるメリットの方が大きいです。

iT30 Pro+TR+ミラーレスカメラの組み合わせの撮影例
実際にGodox TRを装着すると、これまで標準ズームレンズで発生していたケラレが解消されます。
そのため、「普通のクリップオンストロボ」のような感覚で気軽に使える のが大きな魅力です。街歩きのスナップやポートレートでも、持ち出しやすさと扱いやすさが両立します。
また、TTL調光やオートでの露出制御も問題なく機能しました。実際に使っていて精度に不満を感じることはなく、安心して任せられる印象です。
参考までに、前述した ソニー α7IV+FE 24-70mm F2.8 GM II と iT30 Pro の組み合わせ では、広角側だけでなく 50mm付近でもケラレが発生しました(詳しくはiT30 Proのレビュー記事でも紹介しています)。
しかしTR-Sを装着することで、まず50mm付近でのケラレは問題なく解消されました。
但し、24mm側では変わらずケラレがあり、35mmでもフードが付いているとケラレは発生してしまうと、このサイズ感のズームレンズではすべての範囲はカバーできませんでしたのでその点は注意が必要です。
35mmではSigma 35mm Artの単焦点でも試しましたが、先ほどのレンズとほぼ同サイズなのでフード付きではケラレが発生してしまいます。ただストロボ撮影する際にはフードを付けずに可変NDフィルターをつけて撮影することが多いですが、この使い方では35mmでも問題なく使用できています。
他にもコンパクトなズームレンズとの組み合わせや、50mm以上の単焦点レンズなどのストロボが使いたいシチュエーションでは活用できるので間違いなくおすすめではありますね。

オフストロボライティングの使い方でも角度調整可能で便利
Godox TRはカメラに装着するだけでなく、オフストロボ撮影 にも活用できます。たとえばiT30 Proを地面やテーブルに置き、TR-Sの角度調整機能を使って天井や壁に光をバウンスさせれば、柔らかい光を簡単に作り出せます。
この「角度が変えられる」というシンプルな機能のおかげで、オフストロボの使い道が一気に広がります。特に室内での撮影や、ライトスタンドを持ち込めないシーンでは重宝するでしょう。価格も手頃なので“とりあえず持っておく”アクセサリーとしても優秀です。
さらに、ホットシュー変換アダプタを使えば小型三脚に取り付けることも可能。ちょっとしたライティングが必要な場面でも、コンパクトなセットで柔軟に対応できます。
ただし、新型のクイックリリースフットは一部のアダプタとの相性が悪く、外れやすいことがあります。特に自撮り棒に装着して持ち歩くような使い方はおすすめできません。
実際に使ってみると「地面に置いたストロボをどこに向けるか」を柔軟にコントロールでき、複数ストロボを使う撮影でも役立ちます。小型三脚と組み合わせれば、ちょっとしたスタジオ風ライティングも可能になります。

まとめ
Godox TRホットシューライザーは、iT30 Proをより快適に活用するための必須アクセサリーと言えます。
ポイント
・天井や壁へのバウンス撮影の自由度アップ
・オフストロボとしての応用力
単なる高さ調整パーツではなく、様々なメリットを得られるのが大きな魅力です。
特にミラーレスカメラ、ソニーαシリーズでiT30 Proを使う方にとっては、コンパクトさと実用性を両立できる強力な組み合わせになります。重さの負担もほとんどなく、価格も手頃なので「iT30 Proを買うなら一緒に揃えておきたいアイテム」と断言できるでしょう。

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